格安と言えど約6万円 オレ的「禁断の”買ってみた”」
ロードバイクに乗っているといつかは試したくなるアイテムの一つが『カーボンホイール』ですよね。
でも、人気と実績のあるメーカーのホイールは安くても20万円から…。そんなセットを履いたら中の下の愛車の場合、自転車に乗ってるのかホイールに乗ってるのかよくわからない…。そもそも家内の承認無しに買えば余計なトラブルのもとだし、それでトレーニングに出ても馴染みの無いコンビニに停めて目の届かない場所で買い物をする勇気さえありません。
そこで、ちょっとドキドキしつつも”格安カーボンホイール”に手を出してみました!
(一応、家内の承認を得てから購入しています。←ココ、大事)
”格安=粗悪品”…は避けたい
有名ホイールメーカーの商品を買えば何も悩み事はない筈ですが、敢えて格安ホイールを選ぶのであればある程度の期待はずれは覚悟しなければなりません。
その期待外れな部分が、”重量”や”見た目”ならば値段的にも諦めがつきますが、”初期不良”はもちろん、”仕様”がカタログと違ったり、レースに耐え得る最低限の”品質”が伴っていなければ、わざわざ今よりもパフォーマンスが下がるホイールを買う意味はないです。
そうすると、ある程度実績やレビューがあって、最低限の保証がきくメーカーが良いのですが、いくつか吟味してみた結果、海外通販の”Wiggle (ウィグル)"で扱っているPrime(プライム)というメーカーが目にとまりました。Wiggle自体、ようやく日本でも一般的な海外通販サイトとして認知されてきたのと、以前よりもきちんとした海外向けサポートをする様になったと感じられたのが理由です。それから、サイアク誤った選択肢であったとしてもそれなりのリセールバリューも中古市場で確認できたので、最小限のコストと労力で振り出しに戻せそうだった…というのもあります。
ということで、Primeのラインナップから憧れの50mmのリムハイトを選択してみました。
Wiggleでは商品価格がシーズン次第で変わります。中の下の購入時の価格は¥58,000(+輸入時の税金・通関料¥3,500)でした。
アップグレード要素
中の下の格安ホイール購入における主なポイントは、
① 軽量化
② 見た目(これは主観的な部分ですが…)
③ パフォーマンス(タイムUp、最高速Up、同速ならワット数Down、など)
…こんなところでしょうか。
これらのコストvsリワードのバランスで格安ホイールを評価しようと思います。
まずは、…
① 軽量化 ※ホイール+リムテープ+クイックリリースだけで計測
鉄下駄(Giant PA-2): F=709g, R=1030g, Total = 1739g
クイックリリースは、 F=54g, R=59g, Total =113g
総合計=1852g
Prime RR 50 V-3: F=698g, R=896g, Total=1594g
クイックリリースは、 F=36g, R=39g, Total =75g
総合計=1669g
-183gの軽量化に成功です。
…が、なんだかぁ…色々と思うところのある数字ですねぇ…w
軽くなったのは嬉しいですが、
前後ホイールで-145g、クイックリリースで-38g
…って事は、前後ホイールは8%しか軽量化できていないのに、
前後クイックリリースは33.6%の軽量化。
…そっちなのか?!
これは、Giantの鉄下駄がよくできているのか、それともRR50 V-3がもっと頑張れるのか…?
正直、もう少し軽くあって欲しかったです。(だったらローリムを買う手もありましたが;)
続いて、…
② 見た目
主観的な部分ですが、やはりディープリムはかっこいいと思います!
そもそも、50mmのディープリムと流行りのワイドリムに25mmのタイヤを履かせると、そのまんま最近の仕様ですよね。※中の下は事前に、23mm純正タイヤ(2016年仕様)を25mm (2017年〜仕様)に変更していました。
(2022年4月 追記: 現在、標準タイヤは大体28mmです。)
俺のバイクは5年落ちのオワコン、ロー&ナローのアルミリムだし…と思っていたのが、
「まだまだイケるんじゃね?!」と思える幸せw
RR 50 V-3は純正でダークグレーのPrimeロゴステッカーが貼られています。以前は白や赤が使われている3DデザインのCampagnoloロゴがカッコよく見えて仕方なかったのですが、このホイールも意外と僕のPropelのフレーム色に合ってるのと、想像以上にパワフルな足元にまとまった印象です。
見た目Upgradeは、個人的には非常に満足しています。
そして…
③ パフォーマンス
250Km程、普段の練習コース(一般公道)を走ってみての感想です。
発進時や流している時に、同じワット数で踏んでいても多少楽に加速したり速度を維持できる印象です。たった180gとは言え腰下の回転部分が軽くなったので、物理的にはその分回しやすく、速く走れて当然ですよね。
横風の影響は、まだ斜行してしまうほどの強烈な海風などは経験していないのですが、フロントに関しては今のところ極端にハンドルをとられる感覚はありません。影響は予想以下と言って良さそうです。
<7/13/2021 追記> ウソです!横風の影響はローリムの時よりも明確に大きいです!
先日やや高速で走行時に横風を受けて、危ない思いをしました。横からの投影面積が大きくなったのですから、当たり前ですよね。
ディープリムと27.5mmのワイドリムのエアロ効果や剛性感は、たびたび信号にかかりながらその辺を時速20〜40Km程度でせわしなく走る分には全くわかりませんw
僕レベルの脚ではむしろ…
精神的な効果が大きいと思いました。
誤解を恐れずにいうと、軽くなってラクに走れる様になったのもあるけど、自分なりのアップグレードが与えてくれるポジティブな意識の相乗効果が大きいです。いつもの道を、いつもよりもワクワクしながら「どうだ?ん!軽い!」、「登りはどうだ?ん〜、同じか?いや、軽いから回しやすいか?!」とか、結局いつもよりも前向きに踏んでるし回している自分がいます。
もっと言うと、お金もかけたしカッコよくなったのに今まで通りの速度で走る自分が許せず少し見栄を張った走りをしがちです。カーボンホイールが嬉しくて練習量や練習頻度、練習時の負荷も上がりました。つまり、僕自身の変化が大きかった…と、正直思っています。
結果的に、購入後中の下のバイクでのパフォーマンスが上がっています。
速くなったと同時に、以前よりも高強度のトレーニングをしている成果があるのも事実かと思います。
もちろん、これがCampagnoloの何十万円もするセットだったらもっとわかりやすく軽量化の効果も、駆動力の伝達効率も感じ取れたり、トレーニング過多からの疲労もなくレベルアップできるのかもしれませんが、…
…比較してみたいから誰かカンパのBORA ONEとか貸してくれないかなぁ…。
値段なりの難点も…
あと、RR 50に関して言うと、一つ不安な部分があります。
それは、
フロントホイールの横方向の剛性が低いかもしれません。
急勾配でゆっくり強く踏んでダンシングする際に、フロントのブレーキシューがリムと擦れる音がする事があります。
片側のステアリングを強めに引きながらペダルを踏む時に、車体(前輪)が左右に傾斜することで出る症状なのですが、これは、以前の鉄下駄ではなかったです。ワイドリムになって車両の構造上随分とVブレーキのアーム調整をした影響もあるかもしれないですし、鉄下駄のリムよりもカーボンの方が制動音がそもそも大きいのでちょっと擦れただけで音が聞き取りやすくなっただけかもしれませんが、
フロントブレーキの片側がその瞬間はわずかにリムに触っていたのは事実です。
これは、決して「ブレーキがかかっちゃって進まない」というレベルではなく、擦れているのがわかる…といったレベルのお話ですし、高額ホイールにも多かれ少なかれあるものだと思いますが、ホイルのネジレを初めて意識できてしまった事自体がショックでした。
おかげで、車体を垂直に維持しながら真っ直ぐ踏む癖がつくので良いのですが、ちょっと残念だったポイントとして…。
まとめ
ちょっと良いアルミのホイールくらいの価格ですから、カーボンホイールとしては重量・見た目・走行効率において不十分な部分があるのは当然と言ってよいと感じています。中の下レベルの貧脚であればこのホイールの剛性で「力が伝わらない」と感じる事はないですし、これよりも100g軽くするためにあと20万円払えるほど悩み事のないお財布事情でもありません。
僕は、このコスパは十分なものだと思います。
なんだかんだで軽量化も達成されたし、憧れのディープリムカーボンが自分のフレームに付き、厳密には競技やコースを選ぶとしてもなんらかのアドバンテージを手に入れられたこと、そして自身がより積極的にバイクに乗りたいと思える様になれたことを考えると、それだけで良い買い物をしたと思えます。
実際、中の下的には次の『しろさとTT200』が今からめちゃくちゃ楽しみになってきました!
中の下と同じく、お金はないけど脱”鉄下駄”を企んでいるホビーライダーの皆さん、ある程度の実績とそこそこ保証がきく格安カーボンホイールをぜひ検討してみてください!