今回つくづく思ったのですが、ロング・ディスタンスのレースというのは本当にショートやミドルとは別物です。なんと言うか、…ロングにはロングの戦い方があって、今までの経験やスキルだけではカバーできないものを感じました。
その意味も含めて、前回は<準備編>を(全てカバーできているとは思っていませんが)先に書いてみました。そして、今回はついに中の下のレースのお話です。
スイム4Kmは拍子抜けのベタ凪
日本の映画の最初の、ちょっと冷たそうな海で波がザッパァアァ〜ン!!って見た事ありますよね?
あれが、太平洋岸出身者の中の下の日本海に対するイメージでしたが、とんでも無い偏見でした。w
当日の会場は、波もうねりも、潮の流れもほぼ無し。おまけに透明度もバッチリで水温もちょっと泳ぐには温かいかなぁ〜くらい。中の下レベルでも「今までで一番楽な海…」と思えるコンディションでした。
当日の最終登録を済ませてトランジションの最終確認をしてウェットを持ってスイムチェックに向かうと、緊張の面持ちの選手達がワラワラとウォームアップ中です。なにしろ今年のAタイプは1000人超え!!スタートラインは広く用意されていましたが、想定タイムが早い順に全員が前から並ぶともう後ろが浜からはみ出る程…。
なんと、この集団が一斉にスタートします。
言わば、1000人のWaveです。
↑これ、Aの1000名のWaveスタート直前の状況です。
下手すると迷子が出る。
コースは、900m+200m+900mの一周2Kmの三角形を2周です。
号砲!
会場がデカいので、エアホーンの音もマイク&スピーカーを通して盛大に鳴り響きます!!
かかっていたBGMは、映画”TopGun"から”Danger Zone"。直近はマーベリックですが、参加者の年齢層的にもガガ様ではないところがポイント。
海は安心だし寝不足の割にカラダは軽かったのですが、なにしろ初ロング…。最初に突っ込んだりしない様に一生懸命アドレナリンが出過ぎない様に落ち着こうとしました。作戦は、ストレッチ&グライドのゆったりのびのび泳法で心拍を上げない4Km…の予定でしたが…
人大杉
↑懐かしいなコレ
さすが1000人WAVE!こんだけ広いスイム会場なので距離的には損なのを承知で初めからかなりアウト側からスタートしたのに、全然集団がバラけない…。運が悪ければドラフティングどころか”抜きたくても抜けない団子状態”の後ろで長く待たなければならない人もいたかもしれないです。
同じペースで一緒に泳いでくれる仲間が早く見つからないと効率が悪いと思ったので、距離が伸びるのを覚悟の上で一旦更にアウト側に逃げて呼吸を整えます。…と、意外と同じ事を考えているあまりガツガツしていない選手達が同様に逃げてきている様子で、意見の合う優しそうな人たちのグループにすんなりと合流できました。まずは第一ブイまでその集団で…。
奥行き900mの大きなスイムエリアの中なので漫然と最寄りの集団と並行して泳ぎがちですが、その集団全体が斜行している場合もあります。広すぎて第一ブイを真正面にみているつもりでも微妙にずれていたり…。そうすると、まるで大海原なのに衝突する二艘の船みたいに結構な角度で他の集団とぶつかることがあるのがなんとも新しかったです。
「え?!どこ行くの?!」って双方で思う瞬間です。
3角形の頂点にあるブイは今まで見たことのあるブイの中でも最大級です。
巨大なセ◯ネンキュウみたいな形をしています。視認性は抜群。右に回り込んで泳ぐと次のブイがすぐに視界に飛び込んできました。しかし、まだ団子状態なのですが、ずっと大外刈りなのも勿体無い…と思ってちょっと切り込んで次のブイに向かって進みます。でも、あっという間に泳ぎにくくなってしまったので次のブイも3〜4m離れて回り込みました。
1周目の復路も相変わらずガチャガチャしてましたが、2周目はだいぶバラけて少しだけストレッチ&グライドでのびのび泳げた様な気がします。そして、スイムアップ!
4Kmを約90分で完泳は、完全に自身の予想通りでした。
まずは大きなトラブルや遅れもなく、ひと安心…。T1で変なミスや忘れ物をしない様に、歩いてトランジションエリアに入り、落ち着いて190Kmのバイクパートの準備をしました。
<バイク編に続く>