中の下アイアンマンの作り方

IRONMANがみんな凄いわけじゃ無い!中の下トライリーマンがちゃっかりIRONMANを目指すブログ

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初ロング『2022佐渡国際トライアスロン A』<ラン編>

中の下にとって初めてのロングにして、日本最長距離で開催の『佐渡国トライアスロン』。スイムとバイクを無難にクリアして、中の下は特にトラブルもなくT2まで進んできました!

トランジションの数少ないショット

残り時間は5時間40分、脚は…なんだかちゃんと動く!!

 

「マジか!?…コレ、間に合うんじゃねぇか?!」

 

ちょっと興奮気味でアドレナリンがマシマシのT2。シューズを履き替えながら、最後のランパートを確実にこなし切るための準備を整えるのでした!!

 

 

全てはランのため!

ロングのトランジションは絶対に走らないし慌てない…。「これから一番自分を試されるフルマラソンが始まるんだ」という今日イチ冷静で真摯な意識に切り替えながら、どっかりと地面に腰を下ろして予定していた準備を進めます。

 

バイクパートは予想よりも遅かったですが、なにより無理をせずにランに脚を残すと言う、中の下的には最も重要な目標をクリアできました

 

30分程余分に時間がかかったせいで、バイク用の補給食は背中ポケットのバウムクーヘン1かけ以外全て摂取。エイドの度に水をかぶっては背中で温められてきた個包装のバウムは少し水を含んでグチャっとしてましたが、好物だし、なんとなく固形物に飢えていたのでT2を出る直前にそれを口に放り込んで甘いスペシャルドリンクで流し込みました。

 

落ち着いて最終確認…

「補給食持った。スペシャルドリンク飲んだ。帽子とサングラスOK。靴ひもの締め具合…こんなもんかな。日焼け止めは…まいっか。ゼッケンベルトを前に回して…、Oh! Garmin忘れずに押さなきゃ!」

 

ランスタートに向かって歩いている自分は、なんだか元気で余裕がありました。佐渡島を一周してから始まるフルマラソンはさすがに少し怖かったですが、予想以上に体力を残していますす。

 

知り合いがランのスタートで話しかけてくれました。こう言うのはマジでホッとします。いつもの弱っちぃ自分をアピールしつつ、内心は制限時間ギリギリだけど初ロングを完走できそうな自分に期待していました。

知り合いや仲間が一緒にいてくれるのは本当に励みになります。

ボランティアの方にあらためてホースで水をたっぷりかけてもらって、最後のフルマラソンのスタートです!!

Suwako以降、暑い日のレースでは躊躇なく水を浴びる様に…

ラン:完璧な入り

ランは一周7KMの周回コースを6周。例年は島の反対側に伸びるコースを往復するそうですが、コロナの影響でエリアを縮小した設定です。

 

いつも、ミドル以上のレースではランの最初は上手く走れません。ブリックランが足りないとかそういう事ではなく、単純にバイクで踏みすぎているからだと思うのですが最初の数キロは心拍もひどく上がるし、結構な確率で盛大な脚つり祭が開催されます…。

 

ところが、佐渡は大違い!抑えきれないアドレナリンのせいで少し入りは速過ぎましたが、脚が軽い!!全く力まずフツウに6分30秒。フルマラソンのPB平均ペースが6分10秒なので、190Kmのバイクの後とは思えない!これが度重なるGiants坂アタックの効果なのか?!

 

ピッチでもストライドでもイケそうです。でも、ここはアドレナリン効果で勘違いしている可能性もあるので、あえてペースを落としてピッチで走ります…。

Runの入り。いい感じ、でも抑えつつ…

 

時刻はまだ午後3時50分。

 

中の下のトライ人生で最も長くて完璧な一日となる予感で満ち溢れていましたが、…その予感はあっという間に崩れ去りました…

 

レースは生き物

「腹が痛い…」

 

1周目。最初の1〜2Kmは調子良く走っていたと思います。

でも、そこからはメチャクチャでした。

 

走るための集中力を刈り取る様な腹の痛みに、思わず足が止まります。

 

様子をみようと短く歩いて呼吸を整えると落ち着く感じがしたのでまた走るのですが、…やっぱり痛い。腹の真ん中辺りが、時々キリキリと痛みます。

必死に腹痛にあらがった思い出…辛い。

弱った胃腸が嫌がっているのかもと歩いたりそっと走ったりしましたが、周回最初の折り返し(沢根折り返し)に着く頃には体が折れ曲がる様な腹痛の波と軽い吐き気におそわれて、もはやレースに集中できず…。

 

「なんとかしなければ…」と、一旦レースのことは忘れて対策だけを考えます。

 

とは言え、できることと言えばトイレに行ったり、復調するまで歩くくらい。とりあえず、沢根折り返しでこのレース中で2度目のトイレに向かいます。(1回目はバイクパート後半で公衆トイレに…)

 

その際、近くで他の選手の救護を終えたTOの方に「胃腸薬はありませんか?」と聞いてみましたが、「知り合いに近くのドラッグストアに走ってもらって…」とのアドバイスでした。一緒に佐渡まで応援に来てくれていた妻がボクを見つけてくれたので、下痢や食当たりの薬を頼んだのが1周目の6Km地点。ラン開始からあっという間に1時間が経っていました。

 

T2を出る時の内に秘めた歓喜や希望は、跡形もなく吹き飛んでいました…。

2周回目に入る辺り。歩いて復調を待つしかなかった…

2周目。頑張って走っては腹痛で歩き、またトイレに入って、やっぱり腹が痛くて、歩いて、調子をみてまた走って…。自分の体との相談を繰り返していた事以外あまり憶えていません。

 

あと1Kmで3周目というところ。妻が走って買ってきてくれた薬をのんでコースの端の縁石に座って復調を待っていました。

 

長い長いレースも、終盤…。座っているボクの目の前を、足を引き摺ったり、フラフラになりながらも必死に前に進んでいる他のランナー達を見上げている時、ボロボロの彼らに今の自分には持ち得ない圧倒的な力強さと実力の差を感じてしまい、次の瞬間DNFを決意していました。

 

11時間45分22秒(Garmin) Run 14Km地点 DNF

 

トライアスロンレースでの途中棄権は、これが初めて。

妻にありがとうと伝え、謝りました。

 

脚は、まだ残っていました。

 

ロングの洗礼

ペース配分、バイクの設定や装備、補給戦略、体調管理、トラブル対応力…。

全てにおいて、ロングはショートやミドルがただ長くなっただけのレースではなかったです。ロングにはロングの闘い方があって、厄介な事にそれらは誰かに聞けば良いというものではなく、前日の準備や日頃のトレーニングでも容易にはカバーできないものばかりです。

 

初めてのトライアスロンでのDNF。ロング完走のために自分なりに頑張ってきましたし、もう少しで大きな挑戦をクリアできそうだったが故に、時間が経てば経つほど悔しくなってきます。

 

「妻が必死に走って薬を買ってきてくれたのに、なぜDNFを決意したのか…」

「なぜ他の選手と自分を比較してしまったのか…」

「もう少し待てば復調していたのではないか…」

「例え制限時刻に間に合わないとわかっていても、前に進み続けるべきではなかったのか…」

 

自分自身の問いかけに泣きそうになります。

 

授業料は払いました…

今となっては腹痛の原因はよくわかりません。弱った胃腸だったかもしれないし、背中で8時間温められた湿ったバウムクーヘントランジションで半日日光に当たっていたスペシャルドリンクだったかもしれません。

 

もう、原因の可能性だけは心の片隅に残しつつ、次のことを考えます。

 

とりあえず、今後はやばそうな補給食やドリンクには手をつけない事にしますが、腹痛が始まってしまったらどうするのか…という準備も考えたいです。それは、そもそも自分の胃腸がロングに耐えられるものなのか…も含めてです。

 

今回のロングDNFの教訓は、中の下の記憶に深々と刻み込まれました。もはや佐渡の完走は死ぬまでに必ず達成しなければならない事の一つとなっています。

 

これは、IRONMAN完走と同じくらいのモチベーションと言って良さそうです。

幸い、今回のトラブルは耐え難い痛みを伴うものではありつつ、あの痛みさえなければ脚がFinishゲートに向かって中の下を運んでくれた可能性の高いトラブルだった様に思っています。(甘いかな…?)

 

次はああならない様に、そしてもしもまたああなってしまった場合の対策と一緒に、佐渡完走という落とし物はいつか必ず探しに戻る事にします。

 

次のロングは2023年6月、Cairns!!

佐渡には必ずまた挑戦しますが、中の下の本来のロング完走の夢を前にして目標のブレや注力の分散は、イヤです。一旦、またCairnsをメインの目標に設定して来年六月までにもっと強くなってのぞめる様に日々精進してゆく決意です。

 

佐渡のDNF以降、なんとなくトレーニングに力が入ってしまい、レストが入れられなくなっています…。怪我をしない様に、オフシーズンはベースアップのトレーニングをしっかりと進めます。