中の下アイアンマンの作り方

IRONMANがみんな凄いわけじゃ無い!中の下トライリーマンがちゃっかりIRONMANを目指すブログ

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初挑戦!!『IRONMAN Cairns 2023』 No.1: レース前夜まで

遂に本番!! 中の下IRONMANは完成したのか?!

2023年6月18日

遂に、…遂にです!

オーストラリア クィーンズランド州ケアンズで開催された

『Cairns Airport IRONMAN Cairns 2023』に

出場してきました。

 

中の下的夢の大舞台…の割には猛烈な遅筆ブログですが、その報告をこの後数回にわたって描きしたためてゆきます。

レース前の静まり返ったレッドカーペット: 緊張と感激、期待と不安。
「(ここまで)帰って来られるかなぁ…」と呟くと、自然に涙が…

 

全てはここに辿り着く為…

長かったです…

 

7年前に始めたトライアスロン

「50歳までにIRONMANに…」という夢を小脇に抱え徐々にレースの距離をのばして、なんとなく「もう走れるんじゃないか…」とドキドキしながら初IMにエントリーしたのが3年前の同Cairns 2020年大会。49歳でした。

 

馳せる想いとは裏腹にまんまと新型コロナにハシゴを外され、気づけばもう3年…。昨年はうっかり佐渡Aの選考を通過してしまい図らずも初のロング挑戦。でも、ランで体調を崩してDNFという苦い経験を経て、52歳。←今ココ 

そして、遂に大本命のIRONMANに挑戦です。

 

世界的なポストコロナの物価高や円安は痛かったですが、もう延期はイヤでした。

妻がサポート帯同してくれることになって、初海外レースでもあるIM Cairnsに挑戦です!

 

レース4日前に現地入り:

<6/14(水): 初日>

成田を夜8時過ぎに発ったJetsterが憧れのケアンズに着いたのは翌日、水曜日の朝4時半。日付を跨ぐフライトでしたがほぼ眠れないまま現地に到着。いきなり寝不足で心配になりましたが、レースは日曜日…。こんなこともあろうと前のめりで現地入りしたのは正解でした。

 

空港からケアンズ市内にあるキッチンと洗濯機が付いたホテルまでタクシーで15分ほど。まだCheck-In時刻前なのでホテルに自転車や荷物を預けて、妻と一緒にまだ人影もまばらな市内を散策しながらケアンズ名物でもある早朝カフェがオープンするのを待ちました。

 

海に向かって歩きながら大会会場近くのエスプラネードまで来ると、デカい大会バナーがお出迎え。まだ暗い時間帯で他に誰もいませんが、一気にIM Cairnsの現実感が高まります。

IM Cairnsは2022年のBest IM Raceに選ばれたレース。
ここは連日行列ができる程のフォトロケになってました。

朝6時半にはいくつかカフェがオープンして、そこで現地最初の食事となりました。チーズと卵とベーコンのサンドイッチとコーヒーのセットだったかな。日本人にあった自然な味付けでとっても美味しかったですよ。

 

ちょっと観光…

実は、妻が事前に二つほど現地の面白そうなツアーを調べていました。わざわざケアンズまで行ってレース観戦だけってのも勿体無い。で、その一つが、「熱帯雨林のジャングルを古い列車に2時間程揺られながらコアラを抱っこしに行く日帰り個人ツアー」です。

目的地のキュランダ。客車同様、駅舎もとても良い雰囲気のケアンズの定番観光地。

その列車は、毎日午前8:30と9:30にケアンズの一番大きなショッピングモールの裏から出ていて、熱帯雨林を通り抜けながら山の上のキュランダという古い街まで2時間ほどで到着します。そこにある野生動物の保護施設でコアラと記念写真を撮ったりできるわけです。夫婦でコアラの抱っこ写真を撮ったりワラビーに餌をあげたり…、寝不足ながら貴重な癒しのひと時を過ごして、夕方以降はホテルの周辺を散策して初日は終了となりました。

 

発見:

・オーストラリアはジャンルを問わず飯が美味い(ベジマイトは除く)

・チームウェアで歩いてると「週末に走るの?頑張って!」って現地人に応援される。

アメリカ英語はわかるけど、オーストラリア英語は半分くらいしか聞き取れない。

・現地オージー達は総じて親切。

・3日前着の選手が多い。4日前着は宿泊費はかかるが空港は空いていて良い。

 

<6/15(木): レース3日前>

レースに向けて現地での準備を開始です。

 

あるあるですが、事前にExcelで作ってあった自分用スケジュール表や準備項目のリストは、現地に着くと移動時間や後からわかる情報がたくさん出てきて手書きの追加メモでいっぱいになります。

 

写真を見せてあげたいけど、あまりにグチャグチャで恥ずかしいのでやめときますw

 

この日の主な予定は、食材や生活に必要なものの買い出しと、午後に予約してあったアスリートCheck-Inでした。

 

現地での食生活:

レース準備に時間をかけたいので現地生活での食事や買い物にかける時間は短いに越したことはないのですが、宿泊したホテルがケアンズ市内で一番大きなモールの目の前で、スーパーマーケットが2つも入っていたのはとても助かりました。

 

一応、昨今の世界的物価高の煽りに対応すべく日本からご飯やうどん、レトルト食品などをたくさん持参していましたが、肉と卵と野菜と果物を現地で調達してカーボとプロテインに重点をおいたメニューでの食生活は意外と日本にいる時と大差ない内容にする事ができました。

 

ところで、中の下は一年で363日は晩酌する”毎晩飲む人”です。基本は焼酎、でも夏は時々ビールが美味い…。スーパーで「ビールはどこだ?」と探しますがどこにも見当たらない…。どうやらこの国ではスーパーでは酒類は販売しないようです。その代わり、店のすぐ隣にスーパー系列の酒店がほぼ必ずあるので、そこで現地人おすすめのビールを購入しました。

Coopers (クーパーズ)というビールのラインナップ数種類がどれも美味かった!

アスリートCheck-In:

アスリートCheck-Inは事前予約制で、日時スロットを指定する必要がありました。中の下はこの日の午後3時から5時の間を予約。会場は大会メイン会場のフォガティー・パークにある観覧車のすぐ隣。IMグッズのストアも併設されていて、たくさんのボランティアの皆さんとアスリート達で賑わっていました。

アスリート・Checi-In会場。ここでレース翌日までつけっぱなしのリストバンドや選手キット、
事前注文のパーソナル・ニーズ・バッグなどを受け取ります。

アスリートCheck-Inが済むと、出口がIMグッズのストアになっています。この辺りがIMがアスリートとトライアスロンをビジネスに利用しすぎているとか言われてしまう所以か…と思いながらも、「ここでしか買えない、今しか買えない!」と思うと自然に財布の紐が緩んでしまうのでした…。

 

<6/16(金): レース2日前>

そろそろ嫌でも緊張が高まって、細かな準備で頭をつかう作業も熱を帯びてきます。

 

Garmin EdgeとFenixの設定と充電の確認

・パーソナル・ニーズの中身と、自転車に載せるジェルの仕分け

・T1とT2のBikeとRunのバッグの内容とセット手順と日程確認

・自転車預託までに自転車の組み立てや整備をして、輸送の準備

・スイム会場へのバスの予約の確認

・当日、T1に持ってゆく持ち物リスト作成

…などなど、調べ物も確認事項もあげればキリがない程です。

 

面倒だけど、事前説明のうろ覚えの部分はアスリート・ガイドやHPのFAQを時間をかけてもう一度熟読して不要な失敗でレースを台無しにしない様に必死です。場数を踏めば多少楽になるのでしょうけど、初心者はとにかく時間をかけてレースの前中後をイメージして何度もウォーク・スルーしながら疑問のある部分は徹底的に潰してゆくしかないので時間がかかりますよね。

補給食戦略は複雑。パーソナルバッグ有りだと
いつもより複雑でなかなか決められない…。

この日は大会側で指定しているバイク輸送の為の預託や、英語が苦手な日本人選手の為の日本語ブリーフィングなんかも開催されました。

 

IM CairnsはT1とT2が離れた場所にあるレースです。スイムパートとT1があるパームコーヴ(Palm Cove)エリアと、T2とFinishGateがあるケアンズ市街地のメイン会場です。多くのアスリートがケアンズ市内に滞在している中、選手のバイクをT1まで安全に移動する為、事前に予約をするとバイクを市街から輸送、ラッキングまでしてくれます。そういった複雑な”段取り”やそれに伴う注意点などを日本語で教えてくれるのがこのブリーフィング。

 

日本語ブリーフィングはIM公式アンバサダーも務めるサム酒井さんの主催で開催。慣れた感じの説明でポイントを押さえてくれます。ちなみに、英語圏以外の国で公に自国言語のブリーフィングや通訳を担当してくれる方がいたのは、日本だけ。

日本語レースブリーフィングの様子
TK竹谷さん筆頭に、有名日本人選手を含めての事実上の日本人選手決起集会

この日は午前にこの日本語ブリーフィング、午後3時過ぎに自転車を預託して主な予定は終了。明日はレース前日。トランジション・バッグを各Tに預けに行く日でもあるので、夜は徹底的に補給食や持ち物の不備がないかを確認して過ごしました。

 

<6/17(土): レース前日>

レース本番に向けて最終確認&最終調整の日です。

もうなんだか開き直っていたというか、思っていたよりも落ち着いてる自分がいました。早入りしてゆっくりと心やモノの準備ができたのもよかったかもしれません。

 

事前予約してあるバスで朝からT1とスイムパートのあるパームコーヴに向かいます。目的は、輸送してもらったバイクの確認とバイクバッグ(T1バッグ)のセットアップ、そしてレース前にスイムコースを泳いでおく事。

 

まずはT1のバイク・バッグを指定のラックの自分の番号のフックに引っ掛けます。

バイク・バッグはスイムアップからT1への導線上で拾って着替えテントに進む。
「何列目の上・下段、何本目の支柱の辺り…」と憶えておきます。


そのまま、前日に輸送してもらったT1の自転車の状況を確認に向かいますが、なんと全車両バイクラックにブレーキレバーをひっかけてあるではないですか!

驚いた!ブレーキレバーをラックにかけてます。
国内でもあるのかな?? …にしてもみんないいバイクで走るし…。

「…コレ…大丈夫なの?!」

ShimanoSTIのシフトレバーなんかやや噛みつき状態です。

 

…でもコレ、風で動いちゃって隣の車両とぶつかったりしないし、サドルを引っ掛けるよりも整然とバイクを並べられて勝手は良さそうです。

 

ラックから降ろして車体やレバーを確認します。

 

ホイールもきれいに回るしハンドルやレバー操作も問題なさそう。Garmin Edgeやボトルはレース当日にセットするのでこの日はこれで確認完了!

 

この後、運営主催のトランジション1のオリエンテーションもありましたが、それには参加せずにスイム会場に行ってとりあえず試泳です!

 

こう言ってはなんですがIM Cairnsのスイムパートの評判はそれ程良くないです。意外と透明度の低い水と、場合によっては当日遊泳禁止になり得るワニやクラゲ問題、そして過去の大会ではサーフィンができる様な高い波で苦労した話がネット上に散見されます。

 

ドキドキしながら見に行くと、…

前日の海は拍子抜けする穏やかさ。
写っているブイはIMのスイムコースで使用するもの。

…凪いでる…

 

拍子抜け。でも、レース当日にどうなるかはわからない…。

まだコース上にブイが浮いておらずコースの規模感はわかりませんでしたが、とりあえず現地の海水の味を確認する程度に泳いでみます。

でも、なんと言うか、フツウ。プールスイムみたい…。

悩み事は無さそうだったので、さっさと着替えて今度はケアンズシティのT2にラン・バッグを預けに向かいました。

 

T2はメイン会場があるフォガティーパークの中です。

ケアンズのT2ではバイクを降りたらボランティアにバイクを渡せば自分のラックまで運んでもらえるので、ラックの位置はおぼえなくてもOK。自分のラン・バッグのフックの場所とその後の導線、着替えた後のバッグはどうするのか…なんかを確認します。

 

T2のラン・バッグのハンガー
要領はバイク・バッグの時と同じ

そんなこんなで、予定されていたトランジション・バッグのセットアップは無事に終了。
明日はレース本番!!今夜はしっかりと食べて、明朝パームコーヴに向かう際に必要な持ち物を最終確認して、とにかく寝る!

 

起床時刻は朝の3時。せめて20時には就寝と行きたいところだけど、…緊張して眠れず悶々としたまま朝になっちゃうんだろうな〜…なんて思いながら帰路につきました。

 

<レース本番:”初挑戦!!『IRONMAN Cairns 2023』No.2 :スイム”>に続く