2022年6月25日(土)
コロナ禍で一年開催を見送っていた『スワコ8ピークス ミドルトライアスロン』は初夏の日差しに盛大に祝福されながら初開催を迎え、わたくし”中の下”を含む650名ほどのエイジグルーパー達がどエラく大汗をかきながらめちゃくちゃハァハァ言って楽しんで来ました!
先に結果を言ってしまうと、
スイム2Km = 00:42:59
バイク78Km = 3:13:40
ラン20Km = 2:38:10
Total = 6:34:49
2018年の初ミドルIRONMAN70.3 Japanが6時間38分台、昨年の99Tが6時間15分台でしたので、Suwako8Peaksは距離が短いことも考えると個人的には完全に大失敗レースでした。
直前に攻略法のブログもアップしましたが、実際のレースを振り返ります。
- 季節外れの気温に翻弄された第一回
- スイムパート:
- バイクパート:
- ヒルクライム対策 11-30カセットの効果は?!
- ランパート:
- Finish!!
- ”地元の皆さんがあたたかい”レースの誕生
- 追記:「ありがとう」
季節外れの気温に翻弄された第一回
前日夜には一時強い雨が降ったりしましたが、当日は全国的に猛烈な暑さの一日となり、長野県の八ヶ岳というロケーションでありながらまさかの30℃超え!開催前のLumina主催の攻略Webinarでは孫崎さんが「寒さ対策」について語っていた事を考えると、いかにこの気温が想定外だったかがわかります。
天気予報自体も当初は曇りの予報が多かったため、一応雨と寒さ対策でアームウォーマーとカーフを準備して現地に向かいました。
ところが、
当日は朝からカンカン照り!あまり早くからウェットスーツを着ると熱中症になるのが容易に想像できる日差しと気温で、朝から「はやく水に入りたい…」と思ってしまうほどでした。
T1の自転車にもミネラルと糖質のドリンクボトルを各一本ずつ積んで暑さ対策はバッチリ…と思っていたのですが…
スイムパート:
スイム会場となる諏訪湖の水温は22℃。うん、ボクは泳ぎやすかったです。
人生初の淡水でのスイムパートは、水中視界(透明度)は数十センチと決して良くはなかったですが、何しろ波もうねりもないのでヘッドアップすれば湖の先の建物や山まで”必ず良く見える”状況が新鮮でした。あと、水はかすかに草のかほりがした様ですw
漕艇場の3レーンを使ったコースは往路と復路の間に1レーンを挟んでいる1Kmのコースを右回りに2周です。
全面コースロープが張られていたので右ブレスの選手は常にコースロープが視界に入っていて楽だったと思います。ただ、潮の流れのない直線基調のコースで最短距離をとりやすいのと、右側のコースロープのせいで混雑時は左側にしか広がれないためかみんなが最短距離のラインの上に集まりやすく、結果として他の選手との間隔が狭い状態で泳ぐ時間が長かったと思います。同じペースで泳ぐ切り込み隊長みたいな選手について行けると楽なのでしょうが、前が詰まることも後ろから突かれることも多かったです。
来年以降参加の場合は、
速い選手は多少遠回りでも大外刈りが正解でしょう。
また、細かな部分ではボートの競技で使用するオレンジの小型のブイが数カ所、通常の場所に浮いたままレースが開催されましたので「このコースど真ん中になるブイは何のため??」みたいな感じで避けながら泳ぐ必要がありました。なぜかブイに向かって泳ぐ習性が出てしまうのでいちいち避けながら泳ぎましたが、これはまあ…気にしなければいいかな。
スタート前と2周目に入る際に給水も可能でしたが、中の下はスタート前に少しだけ水を飲んだだけでした。T1までは100m前後だったでしょうか??思っていたよりも距離を感じましたが、通路にはマットが敷かれていて違和感なく移動できました。
スイム(2Km) = 42:59
バイクパート:
中の下も含めて、多くの選手が苦労したのがこのパートでしょう。
少なくとも、諏訪湖外周から八ヶ岳エコーラインまで登るヒルクライムまでは完全に想定通りでした。ただし、まさかバイクパート前半に給水ポイントが欲しくなるなんて予想もしていなかった…。
給水ポイントは46Km地点と60Km地点の二箇所。いずれもバイクパート後半です。前半が最もハードなコースであった事を考えると、真夏日のヒルクライムを想定した掛け水用のボトルを持ってゆくべきでした。糖質とミネラルの事ばかり考えて、"冷却"という真夏のレースの準備が不十分だったわけです。
おそらく多くの選手も「エコーラインまで行ってしまえば、帰りは下るだけ」…と思っていたと思います。しかし、当日は炎天下のレースとなり、多くの選手が登りで一気に体温が上がって大量の汗と共に体力を大きく消耗しました。
中の下もヒルクライムが終わる頃にはほぼ燃え尽きていて、既に軽い熱中症の症状が…。普段はない様な疲労感と呼吸の乱れでDHポジションをとり続けられなかったです。
例年、関東甲信越で6月25日と言えば真夏の気温に身体が慣れる前です。
気温と湿度が高いと、大汗をかいて頑張っても体温と心拍数ばかり上がってパフォーマンスが上がらない…。想定外の気温と湿度でしたので冷静にペースを落とせれば良いのですが、サイコンのケイデンスや速度を見ると「こんなはずは…?!」という数字です。中の下レベルの経験者ですと特に、思わず頑張ってしまうわけです。
その結果、ヒルクライムに入って程なくして給水しても補給してもお腹にたまるばかりで調子が立て直せず、Garminのスタミナグラフはご覧の通り…
スタミナ65%でスタートして1%でバイクフィニッシュ???
…というか、
登り始めた途端に
燃え尽きとるっっっ!!
ガラスのスタミナっ?!
ヒルクライムに弱過ぎっ…!?
いや、
1%残してこの後のランどうするっ?!?!w
…ちゅうことで、もうこの後は苦しみしかなかったのはご想像の通りです…。
詳しくは次の”ランパート”で…。
さらに、第一回開催のレースらしい波乱もありました。
バイクパートの関門設定です。
これはもう第一回目ならではの結果論でしかなくて、中の下としても大会運営に対して意見するものではありません。…が、最終出走者数650余名のうち120名がバイクパート中にDNFというのは、大会側の皆さんとしてもきっと想定外だったでしょう。
災いしたのはエコーラインの通行止めを早く解除するための
① スイムが遅い選手順にスタートするウェーブ制
② 真夏日のレースには早すぎた関門時刻
…だと思われます。
全4ウェーブのうち、最初と最後のウェーブのスタート時刻は35分差ですが関門時刻は全ウェーブ共通です。このハンデを2Kmのスイムパートで相殺できる選手はいません。また、第一ウェーブから20分のハンデでスタートした第3ウェーブのエイジグルーパーであってもスイムが速いからといって必ずしもバイクも同様に速いとは限らないので、苦手なヒルクライムで苦労した選手やランに脚を残そうと抑えてきた選手たちがみんなまさかのバイク関門でのDNFとなったわけです。
かく言う中の下は、第4関門を関門時刻の約10分前に通過していた様です。つまり、もしも中の下が10分後のもう一つ後のウェーブでスタートしていたらDNFだったかもしれないわけです。
しかし、今回のSuwako8Peaksはこれがレース条件でした。後からどうこう言うべきものではないので、今後の注意点として次に活かします。
バイク78Km = 3:13:40
…ちなみに、
ヒルクライム対策 11-30カセットの効果は?!
直前の対策編で書いた、バイクのリアのカセットを軽く回せるスプロケのセットに交換する作戦ですが、結論から言うと
効果はありました!
でも、中の下にはまだ”下”が足りませんでしたw
目的は、速度は低くても良いから高ケイデンスで回せる軽いギアを手に入れてランに足を残す事だったのですが、体重67Kgで貧脚の中の下レベルが1.5L分の水分を積んであの坂を登るならば、以前のインナーxローより低いギアがあと二つあってもよかった気がします。つまり、11-32という選択です。
踏んでも踏んでもケイデンスが上がらない様なヒルクライムで足を残すにはとりあえず最も軽いギアで走るしかないわけですが、今回は炎天下ということもあっていつもの力が出せず、11-30のインナーxローでもそれなりに踏んで回さないとケイデンスが落ち過ぎてしまう区間がありました。
カセット交換は理屈では合っていましたが、それ以前にもう少し踏んで回せるパワーをつけなければいけませんね…。歳をとってくるとギアに頼りがちになりそうですが、今のうちのもっとパワーの底上げをしておかねば…。
ランパート:
暑かった…
もの凄く暑くて、胃腸も身体もダメでした。
ヒルクライムで完全に燃え尽きてからの炎天下20Kmマラソン。
少なくとも前半は「DNFするか、しないか」の葛藤の時間でした。
走り始めてすぐ…
…というより、走れなかったので歩きながら、自分が前に進むために必要なのがなんなのか一生懸命考えていました。
カロリーなのか、水分なのか?
塩分などのミネラルなのか、それとももう遅いのか…??
少し走ってみては息が上がって歩き、どう考えてもDNFすべき状態だと思いながらも富士五湖ウルトラ100KMを完走できなかった自分の根性の無さを思い出して、とにかく前に進むことだけ考えようとして…、でもやっぱり走れない…。
幸い、ランに入ると非常に短い間隔でエイドが設けられていてエイド毎に色々と試すことができました。
最初の10Kmは全くまともに走れなかったのですが、その間の6箇所のエイドで色々試してわかったのは熱中症で何を口にしても気持ち悪くなるだけ…と言う事。
お腹もややタポタポしてたので、とった作戦は
「水をかぶってコーラひと口だけ作戦」
文字通りエイド毎に水を頭からかぶりながら、紙コップに注がれたコーラを1-2口飲んで次のエイドを目指す作戦です。素晴らしかったのが、各エイドの”水”が紙コップとペットボトルの両方で提供されていたことです。この、ペットボトルがまさに命の水!必ず手に一本持ったままエイドを離れて、体に水をかけながら走りました。
運営の皆さん、コレ、まじファインプレーでした!!
6.3Kmのローイングパークのエイドで、ホースから全身にジャンジャン水をかけてもらった辺りから少しずつ走れる様になって、最後の10Kmはなんとかまたゆっくり走れるところまで回復していました。でも、なんとも惨めなランパートとなり…
ラン20Km = 2:38:10
Finish!!
Suwako8Peaksの特色の一つ、屋内Finishゲート!!
Finishゲートは笑顔ではたっぷり楽しむのがポリシー!華やかな照明とブルー・カーペットに迎えられてなんとかFinishすると、本当に安心しました。ちょっとヤバかったですが、苦しくてもDNFしなくてよかったと思えました。
個人的には反省点の多いレースでしたが、そもそもの実力不足や経験不足も露呈されて、新たな伸び代が見えた非常に意味のあるレースでした。
Totalタイム = 6:34:49 (制限時刻の44分前)
”地元の皆さんがあたたかい”レースの誕生
真夏日だったり関門が厳しかったり、全体として第一回Suwako8Peaksはとても難しいレースになったと思います。とはいえ、気候に関してはどうしようもないですし、運営の課題は第二回大会で大きく改善されることに期待したいです。
そんなことよりも、ボクはこのレースに強く期待してしまうことがあります。それは、地元の人たちのあたたかさでこのレースのファンが増える事です。
選手の皆さんはきっと全員それを感じ取ったと思います。
一言で言うと地元の皆さんや町との一体感のあるレースだと感じました。
炎天下、親子連れもお年寄りも、応援のラッパ隊や吹奏楽団の皆さんも、沿道、橋の上、民家の二階、通りすがりの車…とにかく、ありとあらゆる場所でものすごい数の「頑張ってください!」の声をいただきました。このレースが短い周回コースではなかった事を考えると、その数と熱量に圧倒されます。
応援する側だって大変な日であったはずです。中の下は、自分のレースのことばかり考えて、その上でダメな結果に終わってしまった残念な参加者でしたが、それでも本当にたくさんの方から背中を押され続けての1日でした。これは、感謝しかないです。
地元の理解と協力がなければ良くなってゆかないのがレースと考えると、中の下はこのレースはこれから国内有数の一流ミドルになってゆく様な気がしています。
追記:「ありがとう」
最後に、ランの残り1Kmを切ったあたりで大きな白い紙に「ありがとう」と書いて応援してくださっていた方、「ありがとう」と声でお伝えしたかったのですが泣けてしまって手を振ってお応えする事しかできませんでした。
「ありがとう」
また挑戦させていただきます。