中の下アイアンマンの作り方

IRONMANがみんな凄いわけじゃ無い!中の下トライリーマンがちゃっかりIRONMANを目指すブログ

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初ロング!『2022佐渡国際トライアスロン A』<バイク編>

憧れのIRONMAN Cairns出場前にうっかり選考通過で出場となったロング・ディスタンス、『2022佐渡国トライアスロン

今までのショートやミドルとは別物なのを準備の段階から肌で感じつつも、冷静にうまく4Kmのスイムパートをクリア!そして、文字通り佐渡島を一周する190Kmのバイクの旅が始まります!!

 

佐渡オリジナルの、交通標識っぽいサインの一つ

中の下的バイクパートの目標は…

一般的に、バイクパートの目標設定ってタイムや平均速度、あるいはワット数(W)とかですが、初ロングのバイクパートで中の下が目標にしていたのは、

「ランをフレッシュスタートする」でした。

 

まるでそれまで全く脚を使っていなかったみたいにフレッシュな状態でフルマラソンにのぞむという意味ですが、…まあ、無理です。

 

でも、たとえその日フルマラソンしかやらなくても最短4時間半かかるのが中の下ですので、バイクはどんなに遅くてもできるだけフレッシュな脚でランに繋ぐのが正攻法、それで制限時間に間に合わないならばそもそも実力不足だったというだけの話…と、そう考えました。

佐渡一周190Kmの旅の始まり

佐渡島一周のコースの特徴

赤線がA。佐渡島一周の旅。名物はZ坂と小木坂

Z坂で脚を削られ、必死に残した脚が最後の小木坂でお星様になる

簡単に言ってしまうと、

島の美しい自然の中、地元の温かい声援に背中を押されながら(Z坂と小木坂が無ければ)終始超気持ち良く190Kmを駆け抜けるコースです。

 

レース前日午後の佐渡入りで、レース翌日のお昼過ぎには帰りのフェリーという強行軍。佐渡2泊の間、このバイクパートだけが佐渡島の自然や文化をしっかりと感じられる時間でした。いや〜、本当に美しいのです、自然が。そして、昔の船大工が建てたであろう佐渡島特有の建物や、沿道で和太鼓をたたきながら本当に元気に応援してくださる地元の皆さんの温かいこと…。心から感動しました!

 

中の下的、佐渡のバイク攻略(対策)

さて…、Suwako8Peaksでは熱中症でえらい目にあったので今回はエイド毎にたっぷり水をかけてもらい、かけ水用ボトルも活用しました。長丁場ですし、後半に入る頃には気温も上がってヤバい感じでしたが、おかげで最後まで暑さでタレることはなかったです。

 

補給食は、後半エイドには何も残っていないと予想して全て自給です(遅い選手の嗜みでゴザる)。ジェル6本とミネラルを溶かしたドリンクボトル(750 x 2)を前・後半に分けて、不足分のジェルやバウムクーヘントップチューブに固定&ポケットです。実際、後半エイドの固形物は売り切れでしたがコーラが最後まであったのでカロリー面では余裕がありました。ただ、コーラのカロリー摂取はお腹がタポつく事があります。今度は”ドリンクを飲まなくても少量でカロリーやミネラルが摂れる”様に、一部のジェルはドリンクに混ぜないでおくことも考えたいです。

 

それから、Suwakoで試したリアのカセット交換に加えて、フロントのチェーンリング(インナー)の小径化も導入しました。組合せはR:11-30とF:34T。もとはR:11-28とF:36Tなので、中の下の貧脚でも登りで随分と軽く回せるヒルクライムよりの設定です。上りで回せないと速度は犠牲になりますが、踏みすぎで脚を削りすぎない作戦です。こちらも大正解。タイムはともかく楽に脚を残せました。

 

で、みんな「Z坂が…!」ってよく言いますけど、中の下はどちらかと言うと後半の小木坂だったかな…。Z坂はまだ前半ですし、美しい海岸線の景色が感動的でした。小木坂は海岸線から内陸に向かった山道です。長く続く急登は修行の様な坂でした。

 

結果、平均速度は23.9Km/h、NPは120W、平均ケイデンス80…ちょっと抑え過ぎたかな?

相変わらずの意気地無しっぷり…も、脚を残す目標は達成

予想タイム7時間30分を上回る約8時間のバイクパートとなりましたが、足攣りはおろか疲労感さえ軽微、脚はSuwakoの10倍は残っています!!

 

この時で残り時間5時間40分くらい。

これは初ロング完走、

ぎりイケるんじゃねぇか?!

 

<ラン編に続く>

chunoge.hatenablog.com

初ロング!『2022佐渡国際トライアスロン A』<スイム編>

今回つくづく思ったのですが、ロング・ディスタンスのレースというのは本当にショートやミドルとは別物です。なんと言うか、…ロングにはロングの戦い方があって、今までの経験やスキルだけではカバーできないものを感じました。

 

その意味も含めて、前回は<準備編>を(全てカバーできているとは思っていませんが)先に書いてみました。そして、今回はついに中の下のレースのお話です。

 

スイム会場。地元の方によるとこの時期の日本海はとっても穏やかなのだそう…

スイム4Kmは拍子抜けのベタ凪

日本の映画の最初の、ちょっと冷たそうな海で波がザッパァアァ〜ン!!って見た事ありますよね?

あれが、太平洋岸出身者の中の下の日本海に対するイメージでしたが、とんでも無い偏見でした。w

 

当日の会場は、波もうねりも、潮の流れもほぼ無し。おまけに透明度もバッチリで水温もちょっと泳ぐには温かいかなぁ〜くらい。中の下レベルでも「今までで一番楽な海…」と思えるコンディションでした。

 

当日の最終登録を済ませてトランジションの最終確認をしてウェットを持ってスイムチェックに向かうと、緊張の面持ちの選手達がワラワラとウォームアップ中です。なにしろ今年のAタイプは1000人超え!!スタートラインは広く用意されていましたが、想定タイムが早い順に全員が前から並ぶともう後ろが浜からはみ出る程…。

 

なんと、この集団が一斉にスタートします。

言わば、1000人のWaveです。

海フェス…? (大会YouTubeより)

↑これ、Aの1000名のWaveスタート直前の状況です。

下手すると迷子が出る。

地上目線だと、この中から知り合いを見つけるのはもはや不可能。

コースは、900m+200m+900mの一周2Kmの三角形を2周です。

 

号砲!

会場がデカいので、エアホーンの音もマイク&スピーカーを通して盛大に鳴り響きます!!

かかっていたBGMは、映画”TopGun"から”Danger Zone"。直近はマーベリックですが、参加者の年齢層的にもガガ様ではないところがポイント。

 

海は安心だし寝不足の割にカラダは軽かったのですが、なにしろ初ロング…。最初に突っ込んだりしない様に一生懸命アドレナリンが出過ぎない様に落ち着こうとしました。作戦は、ストレッチ&グライドのゆったりのびのび泳法で心拍を上げない4Km…の予定でしたが…

 

人大杉

↑懐かしいなコレ

 

さすが1000人WAVE!こんだけ広いスイム会場なので距離的には損なのを承知で初めからかなりアウト側からスタートしたのに、全然集団がバラけない…。運が悪ければドラフティングどころか”抜きたくても抜けない団子状態”の後ろで長く待たなければならない人もいたかもしれないです。

スタート直後はかなり大外刈りでもグチャッとした団子状態

同じペースで一緒に泳いでくれる仲間が早く見つからないと効率が悪いと思ったので、距離が伸びるのを覚悟の上で一旦更にアウト側に逃げて呼吸を整えます。…と、意外と同じ事を考えているあまりガツガツしていない選手達が同様に逃げてきている様子で、意見の合う優しそうな人たちのグループにすんなりと合流できました。まずは第一ブイまでその集団で…。

 

奥行き900mの大きなスイムエリアの中なので漫然と最寄りの集団と並行して泳ぎがちですが、その集団全体が斜行している場合もあります。広すぎて第一ブイを真正面にみているつもりでも微妙にずれていたり…。そうすると、まるで大海原なのに衝突する二艘の船みたいに結構な角度で他の集団とぶつかることがあるのがなんとも新しかったです。

 

「え?!どこ行くの?!」って双方で思う瞬間です。

 

3角形の頂点にあるブイは今まで見たことのあるブイの中でも最大級です。

巨大なセ◯ネンキュウ (大会YouTubeより)

巨大なセ◯ネンキュウみたいな形をしています。視認性は抜群。右に回り込んで泳ぐと次のブイがすぐに視界に飛び込んできました。しかし、まだ団子状態なのですが、ずっと大外刈りなのも勿体無い…と思ってちょっと切り込んで次のブイに向かって進みます。でも、あっという間に泳ぎにくくなってしまったので次のブイも3〜4m離れて回り込みました。

 

1周目の復路も相変わらずガチャガチャしてましたが、2周目はだいぶバラけて少しだけストレッチ&グライドでのびのび泳げた様な気がします。そして、スイムアップ!

仲の良い知り合いに声をかけてもらってホッとした瞬間…

思っていたより真っ直ぐ泳げてましたね

4Kmを約90分で完泳は、完全に自身の予想通りでした。

まずは大きなトラブルや遅れもなく、ひと安心…。T1で変なミスや忘れ物をしない様に、歩いてトランジションエリアに入り、落ち着いて190Kmのバイクパートの準備をしました。

 

<バイク編に続く>

chunoge.hatenablog.com

初ロング!『2022佐渡国際トライアスロン A』<準備編>

本来ならば、わたくし中の下の初ロング挑戦は今年6月のIRONMAN Cairnsのはずでしたが、コロナの影響でLCCの直行便が無くなったのを受けてDNS。よく考えずにエントリーしていた佐渡Aでうっかり選考通過してしまい仲間と参戦が決定…。うかつにも日本最長距離の佐渡が初ロング挑戦となってしまいました。

 

果たして、中の下トライリーマンは完走できたのか?!

振り返りながら佐渡スゴさをお伝えしてゆきます!

スイム会場に設置されたゲート

歴戦の強者達が集う離島ロング

トライアスリートの間で”佐渡”と言えば、国内でも最も有名な離島ロングディスタンスの一つですよね。

 

「今年、佐渡に出るんですよ。」

「お!Aですか?!」

 

…トライをやっていればいつかは必ず耳にするお決まりの会話です。

 

ロングを主戦場にしているトライアスリート達にとって、佐渡が特別なのにはいくつか理由がある様です。挑戦し甲斐のある日本最長距離のレースであったり、佐渡島という歴史ある島で地元の皆さんとの触れ合いがやけに温かかったり、また、今回挑戦してわかった事としては佐渡ならではのレースに対する準備や取り組み方があるので一度で終われない独特の攻略意欲に駆られることもポイントの様です。

 

中の下はもともとIRONMANというブランドレース完走が目標ですが、佐渡国際(通称ASTROMAN)は同じロングでも変なチャラさがない、なんとも硬派なレースのイメージがあります。日本の本州の真ん中をまっすぐ北に向かってちょっと海を渡った辺り…、関東からのアクセスが良いだけでなく、全国から満遍なく熱烈なファンが集まるのも特徴だと思います。

 

全国の佐渡ファンが3年ぶりに集った2022年大会にちゃっかり参戦の中の下トライアスリート…。終わってみるととても良い経験と実績となりました。備忘的に準備から各パートを順番に振り返ってみます。

 

一年前から始まる(べき)準備

これ、大きかったです!マジ、重要!!

なぜなら、佐渡初参戦の中の下はまずここで大きなハンデを背負ました。

 

それは、宿

 

佐渡島は日本一デカい島で、且つ、しっかり離島です。

島には宿泊施設がたくさんありますがレース会場に近い宿が確保できるとは限りません。…というか、よほど運が良くないと確保できません!クルマが無い限りレース当日は離島の交通インフラ、または選手専用バスに頼る事になりますが、いずれも本数が少なくタクシーも台数が限られるため、会場やホテルへの移動のタイミングが限られます。

メイン会場は毎年同じ。会場近くの歩道にて…。

具体的には、スイム会場、トランジション、Finishゲートが集まるメイン会場近くの宿に宿泊できれば、当日は朝4時まで寝て6時のスタートに間に合いますが、離れた宿に宿泊すると選手専用バスを利用しても朝の2時起きで4時に現地入りというスケジュールになります。長ければ15時間以上も走り続ける日の朝ですので、この2時間の差は大きい…。

 

中の下は安くフェリーで佐渡入りしつつ、自家用車は無しで大会側が斡旋する宿と専用バスを利用しました。宿は良い宿ながらメイン会場(佐和田海水浴場)からは14Kmほど離れていました(相川地区)。たかだか14Km…と思っていましたが、高速道路がない島で選手専用バスと路線バスに頼るのは応援に来てくれた妻の移動も含めかなり時間的な制約を感じました。これは、夜遅くまでレースを走った後の帰路にも言えます。ボロボロの体で輪行の準備をして終バスに間に合わせる…想像以上に大変です。

 

このストレスを回避するために、常連の皆さんは今年宿泊した会場近くの宿にそのまま翌年の宿泊予約をしてから帰ってくるそうです。そうすれば、レンタカーの心配も、レース後の輪行の心配も無い…。そして、睡眠時間も大幅に確保できるわけです。

 

ロングと言うのはこういう部分でも特殊で、やっぱり特別なんだなぁ…と感じました。

次回は必ず会場近場の宿、それが無理なら自家用車で佐渡入りしたいです。

 

レーニン

正直に言います。

総距離236Kmにはビビりこそすれ、心の片隅では

「そりゃ遅いし苦しむだろうけど、さすがに完走はできるでしょ。」

と、思っていました。

 

根拠の無い自信でしたが、今年までに富士五湖ウルトラもDNFながら80Km走り切りましたし、直近のSuwako8Peaksを含めて合計で5回もミドルディスタンスを完走済み。もういい加減イケるんじゃないか…と。

 

もっと言うと、本当ならば2年前の6月にCairnsでロングデビューしているハズだったわけですから、その後たっぷりと実力を上乗せする時間があったし本気で準備してきたのならばむしろ挑戦が遅過ぎるくらいです。

 

ですので、トレーニングの目的も「前のシーズンより強くなれていればOK!」と言った内容で、今まで通りのスイム・バイク・ランのトレーニングに時々高負荷、時々長時間といった感じで多少追い込んだ練習をしただけです。特にバイクは何度も読売ランド近くのジャイアンツ坂(Vロード)で1時間連続アタックを仲間とやって、より強く踏める様になっていました。

 

直近2ヶ月のトレーニング量はこんな感じでした。

 

スイム:

8月=7,350m

7月=10,100m

 

バイク:

8月=191km

7月=90Km

 

ラン:

8月=65Km

7月=55Km

 

…少なっ!!特にラン。

月平均が60Kmだったのか?!

 

そしてバイクも!佐渡のバイクの距離を8月の一ヶ月でなんとかクリアしたレベルですが、太腿もデカくなり、また明らかに高ケイデンスで楽に回し続けられる様になりました。明確なレベルUpを感じています。

 

…にしても、中の下は一体いつからここまでスイムに力を入れる様になっていたのか?!

 

その他の準備

今回、佐渡のために新しく、中の下なりに結構真剣に準備をした事が二つありました。

 

一つ目は、「補給食の計算と計画」です。

METsといって、自身の体重とペースをもとにロングのレース中に何カロリー消費するのかを計算して、当日の食事や体脂肪の燃焼で賄う分と、補給食で賄うべきカロリーを算出するメソッドがあります。以前なにかのセミナーで計算した時には、中の下はロング一回の間に6,200KCal、つまり120KcalのMagOnならば52本分のエネルギーを消費する…というおかしな結論でした。

 

当時の体重が重かったのもその数字が大きくなってしまった原因の様ですが…それにしても俄には信じ難い数値でしたので、今回あらためて計算し直して、「とりあえずカロリー不足で走れなくなる事だけは避ける」準備をしたわけです。

 

結構奥が深いトピックなので、これはまた別に詳しくお話ししたいです。

 

二つ目は、「輪行時の車両分解・収納・組み立ての練習」!!

これね、ホント、しっかりできないとフレームやホイルに傷をつけちゃったり、下手するとディレイラーとか壊しかねないですし、慣れないと梱包も開梱もすごく時間がかかります。

 

最初の練習では、梱包20分・開梱15分程かかりました。会場についてからの開梱や、バス輪行の際の梱包時間にあまり余裕がない時もありますし、DHバーは一旦、Fフォークと並行させる感じで固定しないと梱包できない&開梱時にもとの角度に戻す必要もあります。結局、神経質な中の下は3回程練習してからの遠征となりました。

 

…ですが、やる度に前後ホイールをフレームに固定する方法に新しい工夫をしたくなってしまって、梱包時間はあんまり短縮できなかったです。

 

こちらも、奥が深いです!普段からホイールを外す事に慣れていない人は後輪の付け外しだけでも手こずりかねないので、初めて輪行で現地入りする方は必ず一度は練習しておくのをお勧めします。

新潟港と佐渡両津港を結ぶデカいフェリー。こことバス移動が輪行

これも、時間があったら別途ブログ書こうかな…。(行けたら行くわ的ですが)

 

直前準備

レース当日のスイム会場付近

前述の通り、選手専用バスで現地入りして朝6時の号砲に間に合わせるためには、朝2時に起きなければ間に合わない事が分かっていました。当日の中の下のスケジュールはざっとこんな感じでした。

 

2:00  起床

3:00  ホテル前で選手専用バス待ち

4:00  会場着 

    選手最終登録

    トランジションセットアップ

6:00  号砲

 |

21:30 Finish制限時間

 

朝の2時起き…。やはり眠かった!今回は大会6日前から徐々に早寝早起きの練習を始めたのですが、まず午後8時とか9時に布団に入っても最初は眠れません…。更に、初ロングの緊張でなかなか眠れない&眠りが浅くて、日を追うごとに慣れるどころか寝不足が進んでしまいました。なんと言うか、早寝早起きに慣れる前に、短い睡眠時間に身体が慣れてしまったかも?

 

さあ、本番!

中の下なりの6年に及ぶトレーニングと、初めてのロング完走に向けた直近の準備を経ての佐渡国トライアスロン参戦。相変わらずの遅筆ですが、結構な寝不足で迎えた当日のレース報告を急ぎます!!w

 

<スイム編に続く>

chunoge.hatenablog.com

オープンウォーター6年目でわかった事 <向き合い方>

OWS: トライアスロン最初で最大の壁

『中の下アイアンマンの作り方』のトレーニング関連のトピックで一番アクセスが多いのはOWSに関するブログ、特に昨年の投稿”オープンウォーター5年目でわかった事”へのアクセスが非常に多い様です。

 

chunoge.hatenablog.com

 

もともとスイムが得意でIRONMANを志す人の割合って、消費税率以下じゃないでしょうか?

だから、初心者トライアスリートの多くにとってOWSは最初に立ちはだかる本当に大きな壁だと思うのです。

 

初心忘れず…と、堂々と言える程スキルアップしてませんが、気づけばOWSに対する不安が減ってより楽しめる様になってきています。46歳から始めて6年目…。自身のOWSに対する気持ちの変化やスキルの向上、新たな挑戦など、時々こうやってOWSで思うところをできるだけOWS初心者の皆さんと同じ目線で書き綴ってゆければと思いますので、できれば”5年目”から順番に読んで参考にして頂けると嬉しいです。

 

2018年、この時で3年目…ひどいフォーム、ガチガチだ…

 

練習と努力の先にあるもの

皆さんは、…

「泳ぎきれないかもしれない…」

OWSをやっていてそう思ったことはありますか?

 

ボクは何度もあります。実際に泳ぎきれなかった事は幸いまだありません。

でも、海の中でそう思う瞬間は本当に恐ろしい経験です。

 

最初に言わせて下さい。

スイムが苦手なのにトライアスロンで完走を目指す皆さんは、本当に勇敢です。泳ぎに不安があるのならば、場合によっては自分の命に危険が及ぶ海で足がつかない沖に向かって泳ぐべきではありません。

 

そもそも海(オープンウォーター)は人間の生態系ではないので、ボクらは海では生き続けるのは不可能です。安全の事を考えるならば、ボクらは海で泳がなければ海で命を落とす事はまずありません。海で死なずに無難に天寿を全うしたければ、単純に海で泳がないのが正解です。

なのに、怖くても苦しくても、一生懸命練習して海に飛び込んで完泳を目指す我々スイムが苦手なトライアスリート勇気と希望を持って今という時間を輝いて生きていると思います

 

最近感じたのは、どんなにスイムが下手で遅くても、目標を持って練習と挑戦を続ける人はカッコいいと言うことです。もちろん、無理や無茶は論外ですが、十分な練習と準備で恐怖心を乗り越え、安全に目標のレースを完走できたならそれはどこまでも誇らしい事です。

 

アイアンマンという夢に向かって頑張ってやり遂げる…。誰かの役に立つわけでもないのでただの自己満足でしかありませんが、同時にそれは自己承認の極みへのプロセスです。だから、挑戦と達成を繰り返している人の方が自信を持って生きていますし、それ故に目に見えない何かを身に纏って輝いています。

 

冷静で、無理や無茶のない小さな勇気や努力の積み重ねを、一緒に続けましょう。

恐怖心や不安を無視する必要はありません。正しく向き合ってゆければ、その先にある新しい領域はもしかしたらもうすぐそこなのかもしれません。

 

6年の挑戦で克服したもの

繰り返しになりますが、OWSに向き合う事は初心者にとって不安で怖いものです。

 

中の下の人生初のOWSは2016年初夏でした。”怖さ”と言っても色々あるので、できるだけ具体的に当時怖かったものや事を並べてみると…

 

  1. 足がつかない →陸から離れる怖さ
  2. なかなか進まずとり残される怖さ
  3. 管理されていない環境への不信感 →安全なのか?
  4. 圧倒的な波や潮の流れ
  5. もしものトラブル →スキルと経験不足
  6. 長距離泳への不安
  7. 視界の悪さ
  8. 海の動物や浮遊物(クラゲ)
  9. 呼吸が苦しい →泳ぎに余裕のない怖さ
  10. 他の選手との接触でまともに泳げない(バトル)

 

…もっと、なにか根本的に戦わなければならない恐怖心があった様な気がするのですが、ただ単純に知らない事をやるのが怖かったのかもしれません。例えば子供が予防接種を怖がったり、初めてクワガタやトカゲに触る時の様な…ビビりの様な感情でしょうか。

※是非、あなたの「OWSで怖いもの・こと」をコメントで教えてください。

 

ただ、こうやってリスト化してわかってきた事があります。

 

相変わらずこわいもの…

OWSの環境は、安全・安心のために管理されたものではないので、なにがあっても自己責任です。果たして、そんな環境に身をおいても良い程のスキルや実力が自分に伴っているのか…?そう考えると、間違っても「絶対大丈夫!」とは言えません。人間の生態系じゃないんですから…。

 

下の5つは相変わらず怖いですし、まだまだ簡単には克服できないと思います。

 

1. 足がつかない →陸から離れる怖さ

2. なかなか進まずとり残される怖さ

3. 管理されていない環境への不信感 →安全なのか?

4. 圧倒的な波や潮の流れ

5. もしものトラブル →スキルと経験不足

 

海の根本を恐れる気持ち…とでも言うのでしょうか…。きっと、その恐怖心を持ち続ける事自体が今までもこれからも無事に帰宅できる理由の一つなのかなと思います。

 

上の赤文字のリストは、ある程度ボク自身でブレーキをかける事ができなければ危険が増してゆく部分だと思います。「泳ぎ慣れた海だから大丈夫でしょ」と、一人で荒れた海に飛び込んで沖まで進むのはやっぱり危険です。危険な事を怖いと思える事は、結局安全につながるのです。

 

とはいえ、恐怖心はパフォーマンスを削り取りますので、やっぱりOWSをする時はできる限り安全を確保した上で、「あぶない」と思う前に冷静に判断し対応できるスキルを経験者から学ぶ機会はお金を出してでも得るのが正しいと思っています。

 

怖いものは無くせていません、が…

基本的に、当時怖かったものは今でも怖いです。

ただ、慣れによって恐怖心が薄らいだものがあります。

 

 6. 長距離泳への不安 

 7. 視界の悪さ

 8. 海の動物や浮遊物(クラゲ)

 9. 呼吸が苦しい →泳ぎに余裕のない怖さ

10. 他の選手との接触(バトル)

 

これらは、6年の間にたくさん経験したり理解やスキルを得られた項目かと思います。

これらは、当時の怖さが薄らいでいます。

項目別に解説します。

 

6. 長距離泳への不安

(決して速くはないですが)5KmのOWSを2度経験しました。海況次第ですが、「ゆっくり・慌てなければ泳ぎ切れる」という気持ちが効いています。

 

7. 視界の悪さ

OWSでは海中の視界・視野に頼らず、ヘッドアップで海面上の情報を利用するので、濁った水はもはやあまりに気にならなくなりました。でも、あまり汚い海で泳ぐのは嫌です…。

 

8. 海の動物や浮遊物(クラゲ)

クラゲは嫌ですが、いまでは海の生き物に会えたらラッキーで嬉しいくらいです。クラゲは大体、日本中の海でお盆の前後にかかわらずいます。でも、カツオノエボシやサメの様な危険生物に出会ってしまったら新しいトラウマになるかも??

 

9. 呼吸が苦しい

当然、強く泳いで筋肉への強い負荷が続けば呼吸は乱れますが、二酸化炭素過多(または酸素負債)がなくなるまでペースを落とせば、気づかないうちに、しかも10秒前後の短い時間で呼吸が楽になってきます。具体的には、キックを弱くして(止めて)、ストリームラインでグライドする時間を長くとった泳ぎにすると効果的です。また、色々と考えて脳を使うと酸素を消費するので慌てず静かに対処する事に慣れると呼吸を整え易いです。苦しいのは嫌ですが、少しの時間だけ耐えて対処できる様になれば大丈夫です。

 

10. 他の選手との接触(バトル)

これは性格による部分が大きい気がしています。満員電車に乗って、バランスを崩した際に「済みません」と隣の乗客に謝る人もいれば、全然気にしないでいられるタイプもいると思いますが、前者の様な選手はバトルが苦手な傾向にあるかもしれません。

 

見ず知らずの人の頭を掌で叩いてしまったり、斜行してきた選手とぶつかったり、蹴ったり蹴られたり…、日常では考えられない様な他人との接触、しかもかなり強い衝撃や屈辱を伴う接触が当たり前の様に起こるのがスイムパートです。そりゃあ、心拍もガチ上がりしますよね。

 

中の下も、バトルは満員電車の2万倍くらい苦手で怖かったですが、こう考える様になってから随分楽になりました。

 

「ここではお互い様」

 

殴られ、蹴られ、ブロックされて、肩も腕も動かしたいのに何故か真横にずっといて邪魔で仕方がない…。これ、ひらたくすると完全にお互い様です。

 

大切なのは敬意を忘れないことだと思っています。叩かれたから叩き返すでも、蹴っちゃったから一言謝るでもなく、「近過ぎるね。お互い泳ぎやすくなる様に間合いを取ろう。」と思って行動に移す…。これだけでお互い本当に気持ちよくスイムパートにのぞめます。

 

”バトル”と言われると勝たなければならない様な気がしますが、究極、スイムは個人でできるだけ速く泳ぐのが目的であって、その為に必要な条件を揃えられる様に泳げる選手が結果的に強い選手です。より多くの選手にダメージを与えても評価されませんし、お互いより泳ぎ易い状況を目指すだけでパックの速度は上がり、その分、心拍数は下がって”怖さ”も激減します。

 

まとめ

オープンウォーターと呼ばれる環境自体は、我々一般人には恐ろしく非日常的な環境です。自分の理解が進んでいない世界では注意しなければ危険な事があるので、OWSはこれからもなんとなく本能的に恐怖を感じながら接するしかないものなのかもしれません。

 

でも、逆に言うと理解が進んだ部分、特に自分としての接し方が出来上がってきている部分に関しては、慣れと共にうまく対応できる様になってきています。上に並べた経験則は中の下個人の感想でしかありませんが、誰でもOWSに向き合い続ける事で自身の理解や慣れ、対応方法を見出せるものなのではないかと考えます。

 

OWS完泳を目指し続ける皆さんがこれからも輝き続けられる様に、安全に十分注意しながら、無理なくゆっくりとOWSに挑戦し楽しめる様に祈っています!

『スワコ8ピークス 2022』よいレースでした!

2022年6月25日(土)

コロナ禍で一年開催を見送っていた『スワコ8ピークス ミドルトライアスロン』は初夏の日差しに盛大に祝福されながら初開催を迎え、わたくし”中の下”を含む650名ほどのエイジグルーパー達がどエラく大汗をかきながらめちゃくちゃハァハァ言って楽しんで来ました!

 

先に結果を言ってしまうと、

スイム2Km = 00:42:59

バイク78Km = 3:13:40

ラン20Km = 2:38:10

Total = 6:34:49

 

2018年の初ミドルIRONMAN70.3 Japanが6時間38分台、昨年の99Tが6時間15分台でしたので、Suwako8Peaksは距離が短いことも考えると個人的には完全に大失敗レースでした

 

直前に攻略法のブログもアップしましたが、実際のレースを振り返ります。

chunoge.hatenablog.com

公式HPより

 

季節外れの気温に翻弄された第一回

前日夜には一時強い雨が降ったりしましたが、当日は全国的に猛烈な暑さの一日となり、長野県の八ヶ岳というロケーションでありながらまさかの30℃超え!開催前のLumina主催の攻略Webinarでは孫崎さんが「寒さ対策」について語っていた事を考えると、いかにこの気温が想定外だったかがわかります。

 

天気予報自体も当初は曇りの予報が多かったため、一応雨と寒さ対策でアームウォーマーとカーフを準備して現地に向かいました。

 

ところが、

当日は朝からカンカン照り!あまり早くからウェットスーツを着ると熱中症になるのが容易に想像できる日差しと気温で、朝から「はやく水に入りたい…」と思ってしまうほどでした。

 

T1の自転車にもミネラルと糖質のドリンクボトルを各一本ずつ積んで暑さ対策はバッチリ…と思っていたのですが…

 

スイムパート:

スイム会場となる諏訪湖の水温は22℃。うん、ボクは泳ぎやすかったです。

 

人生初の淡水でのスイムパートは、水中視界(透明度)は数十センチと決して良くはなかったですが、何しろ波もうねりもないのでヘッドアップすれば湖の先の建物や山まで”必ず良く見える”状況が新鮮でした。あと、水はかすかに草のかほりがした様ですw 

 

漕艇場の3レーンを使ったコースは往路と復路の間に1レーンを挟んでいる1Kmのコースを右回りに2周です。

 

スイムコース略図(大会アスリートガイドから)

全面コースロープが張られていたので右ブレスの選手は常にコースロープが視界に入っていて楽だったと思います。ただ、潮の流れのない直線基調のコースで最短距離をとりやすいのと、右側のコースロープのせいで混雑時は左側にしか広がれないためかみんなが最短距離のラインの上に集まりやすく、結果として他の選手との間隔が狭い状態で泳ぐ時間が長かったと思います。同じペースで泳ぐ切り込み隊長みたいな選手について行けると楽なのでしょうが、前が詰まることも後ろから突かれることも多かったです。

 

来年以降参加の場合は、

速い選手は多少遠回りでも大外刈りが正解でしょう。

 

また、細かな部分ではボートの競技で使用するオレンジの小型のブイが数カ所、通常の場所に浮いたままレースが開催されましたので「このコースど真ん中になるブイは何のため??」みたいな感じで避けながら泳ぐ必要がありました。なぜかブイに向かって泳ぐ習性が出てしまうのでいちいち避けながら泳ぎましたが、これはまあ…気にしなければいいかな。

 

スタート前と2周目に入る際に給水も可能でしたが、中の下はスタート前に少しだけ水を飲んだだけでした。T1までは100m前後だったでしょうか??思っていたよりも距離を感じましたが、通路にはマットが敷かれていて違和感なく移動できました。

 

スイム(2Km) = 42:59

 

バイクパート:

中の下も含めて、多くの選手が苦労したのがこのパートでしょう。

 

少なくとも、諏訪湖外周から八ヶ岳エコーラインまで登るヒルクライムまでは完全に想定通りでした。ただし、まさかバイクパート前半に給水ポイントが欲しくなるなんて予想もしていなかった…。

 

バイクの給水ポイント(★印)はヒルクライムの後…

 

給水ポイントは46Km地点と60Km地点の二箇所。いずれもバイクパート後半です。前半が最もハードなコースであった事を考えると、真夏日ヒルクライムを想定した掛け水用のボトルを持ってゆくべきでした。糖質とミネラルの事ばかり考えて、"冷却"という真夏のレースの準備が不十分だったわけです。

 

おそらく多くの選手も「エコーラインまで行ってしまえば、帰りは下るだけ」…と思っていたと思います。しかし、当日は炎天下のレースとなり、多くの選手が登りで一気に体温が上がって大量の汗と共に体力を大きく消耗しました。

 

中の下もヒルクライムが終わる頃にはほぼ燃え尽きていて、既に軽い熱中症の症状が…。普段はない様な疲労感と呼吸の乱れでDHポジションをとり続けられなかったです。

 

エコーライン前半。呼吸が苦しい…。美しい八ヶ岳を眺める余裕もなくジェル補給…

 

例年、関東甲信越で6月25日と言えば真夏の気温に身体が慣れる前です。

気温と湿度が高いと、大汗をかいて頑張っても体温と心拍数ばかり上がってパフォーマンスが上がらない…。想定外の気温と湿度でしたので冷静にペースを落とせれば良いのですが、サイコンのケイデンスや速度を見ると「こんなはずは…?!」という数字です。中の下レベルの経験者ですと特に、思わず頑張ってしまうわけです。

 

その結果、ヒルクライムに入って程なくして給水しても補給してもお腹にたまるばかりで調子が立て直せず、Garminのスタミナグラフはご覧の通り…

オレンジがスタミナで、グリーンが高度(標高)

スタミナ65%でスタートして1%でバイクフィニッシュ???

 

…というか、

登り始めた途端に

燃え尽きとるっっっ!!

 

ガラスのスタミナっ?!

ヒルクライムに弱過ぎっ…!?

いや、

1%残してこの後のランどうするっ?!?!w

 

…ちゅうことで、もうこの後は苦しみしかなかったのはご想像の通りです…。

詳しくは次の”ランパート”で…。

 

さらに、第一回開催のレースらしい波乱もありました。

バイクパートの関門設定です。

 

これはもう第一回目ならではの結果論でしかなくて、中の下としても大会運営に対して意見するものではありません。…が、最終出走者数650余名のうち120名がバイクパート中にDNFというのは、大会側の皆さんとしてもきっと想定外だったでしょう。

 

災いしたのはエコーラインの通行止めを早く解除するための

① スイムが遅い選手順にスタートするウェーブ制

真夏日のレースには早すぎた関門時刻

…だと思われます。

 

全4ウェーブのうち、最初と最後のウェーブのスタート時刻は35分差ですが関門時刻は全ウェーブ共通です。このハンデを2Kmのスイムパートで相殺できる選手はいません。また、第一ウェーブから20分のハンデでスタートした第3ウェーブのエイジグルーパーであってもスイムが速いからといって必ずしもバイクも同様に速いとは限らないので、苦手なヒルクライムで苦労した選手やランに脚を残そうと抑えてきた選手たちがみんなまさかのバイク関門でのDNFとなったわけです。

 

かく言う中の下は、第4関門を関門時刻の約10分前に通過していた様です。つまり、もしも中の下が10分後のもう一つ後のウェーブでスタートしていたらDNFだったかもしれないわけです。

 

しかし、今回のSuwako8Peaksはこれがレース条件でした。後からどうこう言うべきものではないので、今後の注意点として次に活かします。

 

バイク78Km = 3:13:40

 

…ちなみに、

 

ヒルクライム対策 11-30カセットの効果は?!

直前の対策編で書いた、バイクのリアのカセットを軽く回せるスプロケのセットに交換する作戦ですが、結論から言うと

 

効果はありました!

でも、中の下にはまだ”下”が足りませんでしたw

参考:採用したのは 105の"11-30" (中身は基のUltegra 11-28)

目的は、速度は低くても良いから高ケイデンスで回せる軽いギアを手に入れてランに足を残す事だったのですが、体重67Kgで貧脚の中の下レベルが1.5L分の水分を積んであの坂を登るならば、以前のインナーxローより低いギアがあと二つあってもよかった気がします。つまり、11-32という選択です。

 

踏んでも踏んでもケイデンスが上がらない様なヒルクライムで足を残すにはとりあえず最も軽いギアで走るしかないわけですが、今回は炎天下ということもあっていつもの力が出せず、11-30のインナーxローでもそれなりに踏んで回さないとケイデンスが落ち過ぎてしまう区間がありました。

 

カセット交換は理屈では合っていましたが、それ以前にもう少し踏んで回せるパワーをつけなければいけませんね…。歳をとってくるとギアに頼りがちになりそうですが、今のうちのもっとパワーの底上げをしておかねば…。

 

ランパート:

暑かった…

もの凄く暑くて、胃腸も身体もダメでした。

 

ヒルクライムで完全に燃え尽きてからの炎天下20Kmマラソン

少なくとも前半は「DNFするか、しないか」の葛藤の時間でした。

 

走り始めてすぐ…

…というより、走れなかったので歩きながら、自分が前に進むために必要なのがなんなのか一生懸命考えていました。

 

カロリーなのか、水分なのか?

塩分などのミネラルなのか、それとももう遅いのか…??

 

少し走ってみては息が上がって歩き、どう考えてもDNFすべき状態だと思いながらも富士五湖ウルトラ100KMを完走できなかった自分の根性の無さを思い出して、とにかく前に進むことだけ考えようとして…、でもやっぱり走れない…。

 

幸い、ランに入ると非常に短い間隔でエイドが設けられていてエイド毎に色々と試すことができました。

ランパートにはなんと10箇所のエイドが!

最初の10Kmは全くまともに走れなかったのですが、その間の6箇所のエイドで色々試してわかったのは熱中症で何を口にしても気持ち悪くなるだけ…と言う事。

 

お腹もややタポタポしてたので、とった作戦は

「水をかぶってコーラひと口だけ作戦」

 

文字通りエイド毎に水を頭からかぶりながら、紙コップに注がれたコーラを1-2口飲んで次のエイドを目指す作戦です。素晴らしかったのが、各エイドの”水”が紙コップとペットボトルの両方で提供されていたことです。この、ペットボトルがまさに命の水!必ず手に一本持ったままエイドを離れて、体に水をかけながら走りました。

 

運営の皆さん、コレ、まじファインプレーでした!!

 

6.3Kmのローイングパークのエイドで、ホースから全身にジャンジャン水をかけてもらった辺りから少しずつ走れる様になって、最後の10Kmはなんとかまたゆっくり走れるところまで回復していました。でも、なんとも惨めなランパートとなり…

 

ラン20Km = 2:38:10

 

 

Finish!!

Suwako8Peaksの特色の一つ、屋内Finishゲート!!

親指Upも、ボロボロ…、Oakleyも斜めw

Finishゲートは笑顔ではたっぷり楽しむのがポリシー!華やかな照明とブルー・カーペットに迎えられてなんとかFinishすると、本当に安心しました。ちょっとヤバかったですが、苦しくてもDNFしなくてよかったと思えました。

 

個人的には反省点の多いレースでしたが、そもそもの実力不足や経験不足も露呈されて、新たな伸び代が見えた非常に意味のあるレースでした。

 

Totalタイム = 6:34:49 (制限時刻の44分前)

 

”地元の皆さんがあたたかい”レースの誕生

 

真夏日だったり関門が厳しかったり、全体として第一回Suwako8Peaksはとても難しいレースになったと思います。とはいえ、気候に関してはどうしようもないですし、運営の課題は第二回大会で大きく改善されることに期待したいです。

 

そんなことよりも、ボクはこのレースに強く期待してしまうことがあります。それは、地元の人たちのあたたかさでこのレースのファンが増える事です。

 

選手の皆さんはきっと全員それを感じ取ったと思います。

一言で言うと地元の皆さんや町との一体感のあるレースだと感じました。

 

炎天下、親子連れもお年寄りも、応援のラッパ隊や吹奏楽団の皆さんも、沿道、橋の上、民家の二階、通りすがりの車…とにかく、ありとあらゆる場所でものすごい数の「頑張ってください!」の声をいただきました。このレースが短い周回コースではなかった事を考えると、その数と熱量に圧倒されます。

 

応援する側だって大変な日であったはずです。中の下は、自分のレースのことばかり考えて、その上でダメな結果に終わってしまった残念な参加者でしたが、それでも本当にたくさんの方から背中を押され続けての1日でした。これは、感謝しかないです。

 

地元の理解と協力がなければ良くなってゆかないのがレースと考えると、中の下はこのレースはこれから国内有数の一流ミドルになってゆく様な気がしています。

 

追記:「ありがとう」

最後に、ランの残り1Kmを切ったあたりで大きな白い紙に「ありがとう」と書いて応援してくださっていた方、「ありがとう」と声でお伝えしたかったのですが泣けてしまって手を振ってお応えする事しかできませんでした。

 

「ありがとう」

 

また挑戦させていただきます。

直前!中の下的『スワコエイトピークス 2022』攻略法

[2022.6.17 追加:スイムコースは気温と対策、バイクコースは防寒対策と急坂区間の情報、他を追加しました。]

 

今月25日に初開催の『Suwako8Peaks』に出場しますが、新しい事がいくつかありますので自身の心構えなんかをまとめてゆこうと思います。

 

”攻略法”と言っても、何しろ第一回開催なので実績はゼロ。

多分、”対策案”とか”こころの準備”という方が正しいです!w

 

あくまで、ワタクシ中の下トライアスリートが思うところをそこはかとなく綴るボヤキの様な対策や心構えとして、いつもの様にバラエティー番組でもみながら流し読みしてみていただければ幸いです。

 

初開催!事実上の前人未到のレース!!w

 

コロナ禍2年目の昨年2021年が当初初開催の予定でしたが、残念ながら中止となってしまった幻の第一回…。まだ誰もFinishしていないレースにも関わらず、昨年8月には大会運営から「是非またエントリーして欲しい…」というメッセージと共にたくさんの参加賞が送られて(贈られて)きました。

地元特産の七味唐辛子や甘酒、超新鮮で美味いトウモロコシ、他…

ありがたいと言うか義理堅いというか、「本当にいただいてもよいのだろうか」と思うほどの内容に驚かされましたが、必ずもう一度エントリーしようと心に決め、ありがたくご馳走になりました。

 

そんな地元の皆さんの暖かい気持ちで支えられている

Suwako8Peaksが今年かえってきましたが、果たしてどんなレースになるのか?!

 

コースの特徴

長野県の諏訪湖(スイム&ラン)、そして八ヶ岳の中腹(バイク)を走る100Kmのミドルディスタンスです。

 

ポイントは、

・淡水、1Km x 2周のスイムコース(2Km) 

・標高差400m弱をのぼる(&くだる)区間があるバイクコース(78Km)

・どフラットと思しき諏訪湖周回のランコース(20Km)

・全体として、標高が高く気温が低め

 

ん〜、…どうやら主にバイクコースが難しい印象です。難しいと言うのは、やはり八ヶ岳の中腹を走る”八ヶ岳エコーライン”までの往路上りでどう脚を残すのかと、完全下り基調で脚を取り戻せそうな後半をいかに安全に速く走ってこれるかなど…「やってみないとよくわからない」点ですね。

八ヶ岳エコーラインの往復にもそこそこのUp/Down

各パートやポイントに分割して分析してゆきましょう。

 

スイムパート(2Km)

Swimは1kmのコースを2周回。直線的で、折り返しのブイは一つに見えるが??

上の図は公式のアスリートガイドからです。

コースは普段は漕艇場となっている「諏訪湖ローイングパークAQUA未来」。大会の説明では砂利の岸からの入水後急に水深が深くなるとのことですので、ひざくらいまで入ったら飛び込んでしまった方がスムーズかもしれないですね。

 

スイムインしたら真っ直ぐ500m進んで帰ってくるコースを2周回です。アスリートガイドを見ると折り返しのブイは一つに見えますが、復路は漕艇レーンを一つ跨いでいるようにも見えますのでもしかするとレーンを仕切る常設フロート2つも関係してくるかもしれないです。ここはちょっと想定しきれないので当日”要目視確認”です。ただ、往路と復路の間隔が狭いので、ブイ周りはゴチャつく&多少心拍が上がると想定しています。

 

実は、中の下は淡水コースのレースは初めてです。個人的には、あんまりコイとかブラックバスと同じ水で泳ぐよりはアジやサバと同じ海水で泳ぎたい気持ちなのですが、それはおいといて…w

 

ただ、海水と比べて体が沈むから淡水は大変…とは思っていません。何しろ、波やうねりや潮の流れがないところなので、ちょっとワイルドで混んでる足のつかないプールくらいを想定しちゃっています。

 

スイム会場とT1は隣り合わせなので、スイムアップからは短い移動で済む様です。

 

[2022.6.17 追加の情報:]

昨晩、Lumina主催のSuwako8Peaks攻略Webinarに参加しました。IRONMANで女子カテゴリー優勝経験のある孫崎さんからの情報で、現地の標高が高く朝は気温が低め…といったお話がありました。

対策としては、ホットジェルをスイムスタート30分前くらいにしようする…などがオススメの様でした。

コースはやはり漕艇場の3レーンを使って、片道500mの往路と復路の間に1レーン挟むそうです。

現地の平均気温は17~25℃。

6/17現在、WeatherNewsでは6/25の諏訪湖の天気予報は「曇り後雨、降水確率60%、最低19℃、最高25℃」です。

 

バイクパート(78Km)

●バイクコース

コースの特徴は3つの区間で明確に分かれています

公式アスリートガイドにはかなりたくさんのコース上の注意喚起の記述があります。

出場される方は必ずそちらを先に確認してください。

 

ここではコースの特徴だけをみての考察です。

 

普通のミドル(90Km)より随分短いですね。

コースを特徴ごとに分けると、大きく3つになります。

  1. どフラット区間
  2. 急坂区間
  3. 八ヶ岳中腹のローリング区間

 

1.どフラット区間は注意喚起を熟読した上で、DHポジション可の区間は気持ちよい程度に踏みながらいつも通り平均速度を高く維持する事に注力しながら走るだけかと思います。

 

問題は往路の2.急坂区間です。一度登りに入ったらエコーラインまで足を休める場所はなさそうですので、事実上の約10Kmのヒルクライムになると思います。最大斜度や平均勾配の詳しい情報が無いのですが、上に行く程微妙に急になっている様です。10%の勾配は無いにしても最大6-7%は想定していても損はないでしょう。(公式の掲載しているTeamKen'sの動画では”5%”という表示あり。)

 

ここでランまで引きずる様な踏み方や脚の削り方をしないのが大事なんじゃないかと思われます。低ケイデンスでも低速でもいいので、中の下と同等レベルの貧脚諸氏は無理せずに往路のこの区間をできるだけ無理せずに乗り越えて、次の何気に大変そうなローリング区間に進むのが得策かと…。

 

3.中腹ローリング区間はいわゆるUp/Downの山コースを想定してます。この区間だけでも100m超えの高低差があるのですが、この区間が終わると復路の②と①は完全に下り基調です。究極、復路②の区間は事実上ケイデンス”0”でも10Km進める可能性が高いです。下りは楽ですが飛ばすにしても限度があるので、③の区間では無駄に脚をセーブしすぎないのが良い気がしています。

 

なお、大会側が推奨している試走コースを走った知り合いの情報では、路面のコンディションは雪国の道路としては思っていたよりも良く、ポットホールでリム打ちしたり、路面が荒れていて走りにくい区間などは無いとのことでした。とは言え、2.急坂区間の復路はスピードの出し過ぎによるコースアウトには要注意です。中の下は中華クリンチャーカーボンでの出走ですが、ダウンヒルのブレーキに不安があります。減速し切れなくなった時を想定したブレーキングとコーナリングを心がけたいです。

 

[2022.6.17 追加の情報:]

同じく、LuminaのWebnarから得た情報です。

一般的なヒルクライム同様、Bikeで山を登った帰り道で身体が冷え易い事などにも言及がありました。

対策としては、T1でホットジェルやアームカバー(ウォーマー)などを用意しておくのがオススメの様でしたが、安全に取り扱えるのであればウィンドブレーカーを持ってゆくことも検討の余地がある様です。
中の下としては、ウィンドブレーカーは非常に悩ましいところです…。と言うのも、春先・6月のヒルクライムレースでは帰りの下りでダウンジャケットを着るのが当たり前のレースもあります。もしも当日の気温が低いのであれば、あながち誤ったウェアの選択とはならない気もしますが、トラのBikeパートでどうやってそれを持ち運ぶのかという課題が残ります。Webinarでも解説がありましたが、背中のポケットに押し込む程度では必ずはみ出て来てしまい、袖がホイルに絡んだりすると非常に危険です。着ていない時に絶対安全な運び方ができれば問題ないと思いますが、腰に巻いて縛る…くらいしか思い当たらないですね。。。

中腹の急坂区間はおよそ8Kmあって、最大斜度は7%、平均斜度は5%だそうです。

 

ヒルクライムを伴うレースでの裏技

ここで、

「勾配5%を10分以上走るならインナー・ローが当たり前」

…と言う”中の下同志”に、卑怯な入れ知恵です。

 

もしも現在、Ultegraや105の11−28のカセットで走っていたら、11-30に換えると脚をランに残し易いかもしれません!

※リア11速での実績に基づきます

 

インナー・ローでケイデンス60以下のまま10Km近くグイッ…グイッっと踏み続けるのは本当に辛いです。もちろん、得意なケイデンスには個人差がありますが、一般的には70以上あると”くるくる回している”状態に近くなるので足が削れにくくなると中の下は考えます。

 

「もう一つ下のギアが欲しい…」と感じるその時、Shimanoユーザには大きく2つのギア比カスタムの選択肢が与えられています。

 

それは、リアのカセットスプロケットを…

① 11-30に換装する

② 11-32に換装する …です。

 

説明します。

"11-30"というのは、「リアのカセットスプロケットが最小が11T(歯が11個)、最大が30T(歯が30個)のギアで構成されているセット」という意味です。 

 

リアが11速の完成車の場合、Ultegraや105では11-28のカセットが一般的なサイズとして付いているはずです。そして、クランク(ペダル)側は36-52がほとんどだと思います。この場合、インナーローは36÷28=1.286、つまりクランクを一周回すと後輪が1.286回転するギア比になっています。

 

22速全てのギア比:

52-36と11-28の場合: クランク一回転で回る後輪の回転数

これを、リアのロー側3枚だけ歯数を増やした11-30のセットにすると…

52-36と11-30の場合: ロー側は11-28よりも後輪の回転数が減る

クランク一回転で後輪は1.2回転、わずかに回転数が落ちてクランクは軽く踏める様になります。ロー側7速分が11-28よりもクランクが軽くなって、それ以上のギアは変わらない構成になっています。

つまり、高速側ギア比はそのままで、低速側はより軽い力でクランクを回せる設定になっているわけです。

 

なお、インナーとアウターのシフトアップ時組み合わせの順番は、11-28と全く同じです。

 

先日、読売ランド横のVictoryロードヒルクライムを十本、11-30で試してきました。

結論からいうと、このわずかなギア比の差で中の下クラスのチャリダーでも七本目まではケイデンス70以上を維持できましたが、八本目からはケイデンス60〜70まで落ちました。

 

参考までに、現在の中の下のパフォーマンスを載せておきます。

 

現在の中の下Spec.:

体重 = 68Kg

Garmin Edge 計測のFTP値 = 182w

横浜トライ '22 バイク = 1:18:41 (平均速度 = 31.3Km)

※この時は11-28

 

細かなことを言うと11-28で十本走った記録がないので比較し切れないのですが、以前走った時より確実に楽にのぼれた印象です。例え平均速度がわずかに落ちたとしても、脚が亡くならずに前述の3.ローリング区間に進む事ができれば総合的にはより良いタイムにつながると考えられます。 

 

自身のパワーではなくギアに頼るあたりがなんともダメな感じですが、ギアもレース構成要素の一つ…。試す価値はあるかもしれませんよ!

 

なお、11-32の選択をする場合はロングプーリーケージに交換しないとローギアとの距離が近すぎてダメな可能性があります。ディレイラーの交換はよりコストがかかるので痛いですが、10%以上の急勾配がより長く続く様なヒルクライムならば有効な買い物かもしれませんよ!

 

ランパート(20Km)

●ランコース

水色の線がランのコース。諏訪湖一周(16Km)とちょっと…

T2から諏訪湖を反時計回りしてから、市内を少し走って「諏訪湖イベント広場」の屋内Finishゲートを目指します。高低差表は見当たりませんが、基本どフラットを想定しています。

 

特別な悩み事の無い普通の20Kmだと思います。エイドステーションも計9つもあるのでよほど気温が上がったとしても給水の不安はなさそうです。ただ、カロリー摂取の面ではアスリートガイドにはアミノバイタルの他はコーラと”食料”となっています。なにかはわかりません。当然と言えば当然ですが、補給食はあくまで自分に合ったものを必要な分用意して、エイドは給水と補給補助として利用させていただくのが正解です。

各エイドステーションの情報(アスリートガイドより)

バイクパートで脚を残せていれば、ここは20Kmのベストを狙えるコースかもしれませんね。

 

[2022.6.17 追加更新:]

ランパートのエイドでは、味噌や甘酒など、地元の特産品などの提供もあるそうです。

また、Ajinomotoのアミノバイタルなども当日の補給食として(数に限りがあるかもしれませんが)提供されるそうです。(スタート前やランパートの4箇所のみ)

まとめ

中の下的にはSuwako6Peaksの最大のポイントはバイクパートと考えていますが、水温・風・気温・湿度・標高差・選手層・コース上の条件…色々な不確定要素においてなにが起こるかわからないのがレースです…。最後は、想定外の状況やトラブルへの対応力の引き出しが多い選手が一番Finishゲートに近い様に思います。

 

まずは体調管理が重要ですが、前日・当日の進行をスムーズにやる準備をして(Suwakoは色々と複雑です!)、持ち物や各種ギアのメンテナンスも十分にやって、みんなでベストな状態で安全なレースができる事を祈っています!

 

<この投稿の内容は、直前まで必要に応じて更新して行きます。

 最終更新日=6/17/2022>

『横浜トライアスロン 2022』五回目の出場

2022年5月15日(日)

正式名称は

『2022 ワールドトライアスロン・パラトライアスロン

 チャンピオンシップシリーズ横浜大会』

 

ITUの国際大会で、会場もYokohamaっちゅうことでほんとに華やかなレースです。中の下はミドルを走るようになったあたりからこのレース以外はODは走っていなくて、毎年気合いを入れてエントリーしているレースの一つです。

 

2022年はなんと記念すべき五回目の出場という事で、初ODだった1回目当時はまだ1500m泳ぐのがギリギリだった中の下が5回を経てどのくらい成長できたのかも含めて報告したいと思います。

 

 

地元開催の豪華な大型レース!

横浜トライはITUのレースですので、僕らが中継で見る国内や海外のエリートレースと同じブルーのカーペットロードがFinishゲート前にあります。エイジグルーパーのレース前日には世界中のエリート達がしのぎを削ってそこを駆け抜けているのを思うと本当にテンションがアガるレース要素の一つです。

World TriathlonのFinishゲート。レースの最後をいかに楽しむかも醍醐味!

個人的には自宅から車で30分もかからないところで開催されるので、前泊の心配もFinish後の疲れた身体での運転の心配も特になし。しかも、たくさんの沿道の応援があって、…もっと言うと参加者にも地元の知り合いや仲間がたくさん出場しているので、コース上でも互いに励まし合えたりととにかく楽しいのです!

 

さらに、参加賞が豪華なのもこのレースの魅力の一つです。

Kitamuraのバッグのほか、女性アスリート達にはスター・ジュエリーから参加賞がもらえるという、他に類を見ないブランド志向の参加賞がなんとも世界のYOKOHAMAといった感じですね。

 

ちなみに、車で会場入りするならば駐車場は”大桟橋駐車場”の一択です。近い上に終日2000円はこの辺りでは最安クラスです。ネットで予約しておくと確実ですが、今年はなぜか予約不可。しかたなく早目の現地入りで駐車場難民化を回避しました。

 

コロナ禍終盤 今回は…

毎年5月に開催される横浜トライ。新型コロナの感染の広がりが危惧され始めていた2020年5月の開催は見送られましたが、一年後の2021年は無観客開催、さらに一年後の今年は感染対策や健康管理と体温の記録・報告、十分配慮された応援などの条件付きで有観客開催となりました。

 

スイムスタートも3名ずつ間隔をあけてのローリングスタート。フローティングから一斉にスタートするのに比べて、バトルの苦手な初心者にはありがたかったのではないでしょうか。

ローリングスタートではOpeningバトルが無いのです…

 

そして、バイクとランのパートは沿道にたくさんの応援の声が!

中の下は応援していただいたら必ずリアクションするようにしています。「ありがとーっ!」とか、言葉になってない「ぅえ〜い!」みたいな返事が多いかなw

 

そして、横浜では笑顔で走るのを心がけてます。沿道に観客がいないレースではちょっと気持ちが悪いですが、有観客の今回、特に応援が多い区間は笑顔で走りました。自然とパフォーマンスも上がる気がするし、よりたくさんの観客から応援もしてもらえるのでオススメです!

 

スイムパート(1.5Km)

例年、ポンツーンとブイ3つで構成の不等辺五角形

横浜のスイムパートはWorld Triathlonらしくポンツーン(図 左下のピンクの線)からのスタートです。…が、エイジグループは頭からの飛び込みは禁止なので、今回は3名ずつ軽く飛んで足からの入水でした。ちなみに、図のポンツーンを挟んで左側が入水チェック(試泳)エリアです。長さは100m程で、試泳は義務となっています。

 

過去五回ここを泳いでいますが、大体毎年、バシャバシャとした港特有の波があります。高さ10〜30cmくらいの三角形に盛り上がっては落ちるのを繰り返す様な波で、風が強い年は水面に水しぶきが立ち込める感じで視界やブレスでちょっと気になります。泳ぎに影響する様な強い潮の流れを感じることはないですが、第二ブイと氷川丸(図 右側の青緑の楕円)の間あたりで若干うねる印象があります。

 

水質はお世辞にも良いとは言えませんが、今年は初めて水がやや澄んでおり水中視界に恵まれました。これは嬉しかった!五回のうち三回は、水中視界はほぼ無しでした。水温は例年18℃前後のことが多く、気温と水温が高かった年は海が少し匂いました。ちなみに、昨年はハンドボールくらいの白いクラゲがたくさん、いやもうほぼ確実に『漂え!横浜クラゲフェス 2021』開催中ってくらい大量のクラゲがワッチャワッチャ状態でした。

 

中の下の今年のスイムはと言うと、五回目と言うこともあってか年々徐々に落ち着いて泳げる様になっていて、今年はついにOWSで「ストレッチ&グライド」を意識する余裕まで持てて初めてSWOLF50以下を達成。プールでは40を切ることもあるんですが、レースで、しかもOWSとなるとなかなかそうはいかないですよね。これはちょっと嬉しい結果でした。

***SWOLF=SwimとGolfを合わせた造語で、Golfのスコアの様に特定の距離でストローク数が少ないほどスイミングエコノミーの成果が高いという考えに基づいている数値。

ずいぶん真っ直ぐ泳げる様になったなぁ…(しみじみ)

ローリングスタートのためにバトルがないのも大きな理由の一つだと思うけど、一周750mのコースを2周する間とうとう呼吸を著しく乱すことなく、平均心拍=146、平均ペース=2:20/100mくらい、公式記録33分19秒でスイムアップ。嬉しいPB更新でした!

 

バイクパート(40Km)

横浜のバイクパートは時々大きくコースが変わります。直線基調の年もあれば、今年の様に山下ふ頭の中をひたすらクランクに駆け抜ける区間が多い年もあります。

山下ふ頭内は路面が荒れている場所も…。

エリート選手はODではDHバーを付けないか、付けても小型のものを付けるだけの方が多いですが、横浜ではDHバーがあると重宝します。それは、必ず海風が吹いてるから。

 

これだけクランクが多いとハンドルの持ち替えやシフト操作も自然に増えちゃいますが、向かい風の海風セクションでDHバーがないとやっぱりしんどい…。スピードをのせたい直線区間でのDHバーの恩恵は大きいと感じます。平均速度が高い人ほど付けておくべきですね。

平均31Km/h超えは、過去の全自転車レースで初めて(嬉)!

横浜トライのバイクコースは華やかですし車で走ったことがある様な公道区間も走るのですが、肌感的には落車事故が多い気がします。もちろん、参加人数が多いというのもあるのですが、今年は特に周回コースが短いせいでコース上の選手密度が高く、ドラフティングしない事が難しいほどでした。突然視界に入るポットホールや段差を避けるために急な斜行をする選手もいるでしょうし、二箇所あるUターンも結構タイトだったりします。

 

安全に完走を目指すならばバイクパート一周目は無理をしないで、冷静によくコースを観察する方がよいと思いました。

山下公園南端の交差点。遅い中の下はキープレフトで…

1周6.7Kmを6周回。気温は高すぎなかったせいで水分補給が進まず700ml程度しか飲まなかったのは後で少し影響がありましたが、ランにしっかり足を残しつつ、公式記録は1:18:41。こちらもPB更新です。

 

ラン(10Km)

エイジグループのランは、横浜港エリアの人気スポットをバッチリカバーするコースを2周します。山下公園内のバラ園、大桟橋や象の鼻公園周辺をまたいで、赤レンガ倉庫エリアをまわるコースはとにかくたくさんの観客の中を走るのですが、雨が降らない限りは本当にレースが盛り上がりますし自然に元気がでて気持ちが良い!

赤レンガ倉庫付近は公道を走ります。広々&沿道の応援多数!

海辺のレースですが、Up・Downがある様に感じるのは陸橋を走るせいですね。山下公園の北端から赤れんが倉庫エリアを繋ぐ歩行者専用の陸橋で、普段だったら観光客でごった返しているところを走ります。そこ以外はどフラットのコースです。10Kmのベストを狙うには、ちょっと園内のカーブやクランクが多過ぎかな?

 

毎年たくさんのボランティアの皆さんがエイドステーションを担当してくださっていますが、一箇所、小学生の子供たちがたくさんいるエイドがあります。「がんばってくださーい!」という黄色い声や、一生懸命な「お水でーす!」の声、手書きの応援メッセージボードがたくさん並んでいたり、給水時は思わずあえて大人の方ではなく子供達からコップを受け取って「ありがとう!!」とお礼を言います。

 

中の下も一人子供がいるので、なんといいますか、よりありがたく嬉しく感じられるエイドですね。写真がないのが残念…。

 

有観客開催で賑やかな沿道が戻ってきたコースを2周、公式記録は47分ちょうど。昨年の記録を辛くも15秒更新してのNew PBです!終盤で左脹脛が痛んで辛かったのですが、今年もブルーカーペットをたっぷりと楽しんでFinish!!

 

総合公式記録は 2:46:28

昨年の記録を2分半程更新していますが、順位的にはもう恥ずかしいほど安定の”中の下”でしたw

 

ODのKPIレースを地元に持つと言う事…

冒頭でも少し書きましたが、この地元開催のODに出場するのは五回目です。そして、毎年の様に走ってみて分かったのですが、やっぱりODってトライアスロンの各パートの実力をはかるのにちょうどいい距離なんだな〜と言うことと、地元開催だと毎年参加する敷居が低いのでKPI(Key Performance Identifier (Index): 自身のパフォーマンスの変化を定期的・定常的に数値で確認する事ができる)レースにできるアドバンテージがある…と言う事です。

 

中の下の横浜トライの記録推移です

<2017> 3:03:34  S / B / R = 39:58 / 1:28:04 / 55:32

<2018> 2:59:48  S / B / R = 36:03 / 1:28:06 / 55:39

<2019> 2:52:41   S / B / R = 36:48 / 1:24:25 / 51:28

<2021> 2:49:10   S / B / R = 34:59 / 1:20:10 / 47:15

<2022> 2:46:28  S / B / R = 33:19 / 1:18:41 / 47:00

 

毎年、海況やコース、体調や気温・湿度・風の状況が違いますし、トランジションだってうまく行く時ばかりとは限らないですが、こうして並べて比較すると…

・当初の自身の伸びしろのデカかったパート(スタートライン)

・集中して練習して成果が上がった年やパート(練習方法の評価)

・今現在の自信がついたパートと課題パート(今後の練習方針の判断材料)

…こういったものがはっきりと見えてきます。これは、毎回単発出場のレースでも目安にはなりますが、やっぱり同じレースで測れるとより信頼性が高いデータになると思います。

 

また、横浜トライは5月開催ということもあって、シーズン・インを横浜にするとその後6月以降にあるミドルやロングの調整にも役立ちます。オフの間にゲットした新しいウェアやギアを試すにも、多少余裕のあるODはちょうど良い機会になると感じています。

 

そんなこんなで、関東の皆さんには心からオススメできる横浜トライアスロン!できるだけ参考になる情報を書いたつもりですが、お近くの方は是非ご自身のKPIレースの一つにしてみてください!

 

そして、もしも来年中の下を見かけたらお声がけください^^!